武田で振り返る令和五年と来たる年の展望
毎年恒例の年末振り返り。昨年は三方ヶ原合戦(笑)の途中だったので、
行えませんでしたが、昨年末から今年はいろいろと充実したこと、
厳しかったこと、結構極端でなかなか体力気力を求められる1年でした。
大河ドラマ どうする家康については、付いていくのがしんどくて、
いろいろオーバーフローなところもあって、こちらで愚痴っていますが…
その分、充実感も高かった1年。もう少し来年は落ち着き、
腰を据えて…とは思いますけども、
①甲斐武田氏と戦国京都オフ開催とその余波
②三方ヶ原合戦前後の武田軍の足跡を歩く
の2点が特に印象的な今年。それ以外ですと、Twitter滅亡元年…でしょうか。
Twitterの話は以前に書いているので、①②で今年を総括してみます。
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①甲斐武田氏と戦国京都オフ開催とその余波
最初に印象深いのは、三方原・上洛オフの上洛編だけをやったオフ会。
三方ヶ原合戦450年の後、武田軍が上洛したテイで京都の武田史跡(主に古文書が残る寺院)
を巡ったのだけど、正月三が日にやる頭のおかしさだったので、
これだけ別にやってくれ!というご要望をいただき実現。
ほんとねえ、すっごい関連書籍あたって、その所縁を調べたわけさ。
そういう関わりのある寺院に、あるところは信玄公自らお出ましになるかも知れないし、
使者を派遣したかも知れないし、また寺院側から使者が参上したかも知れない…
上洛したはいいが、どういう廻り方をしようか?というヲタク丸出しの発想で
調べはじめたわけだけど、これがすごくおもしろくってね。
これをオフ会丸2日、ずっと喋ってました。それこそ喉がやられそうになるくらいに。
ちょっとこりゃ、講演会の後のビールが美味いわけだ…と某先生のいつもを追体験してみたり笑
武田信玄という人物を違った側面から知るキッカケにできたし、
まだまだ調べ尽くせない…というところから、戦国時代の関心の持ち方として、
今後のテーマのひとつになったということが、印象深いですね。
普通、歴史ヲタクでテーマとかないわ…と言われそうですが、
なんでも吸収するのもいいけど、テーマに沿ってそのひとつひとつが
数珠つなぎになる楽しみはかけがえのないものでして…
オフ会を終えてからもまだまだ調査は続いています。それ調査旅行やん…とか言われながら笑
複雑怪奇な寺社の世界、そして武田家との関わり。ホントすごく多様で。
それぞれがそれぞれの背景と、中世当時の事情を抱えていて、
そこと信玄公との関わりを観ると、その複雑さだけではなく、朝廷(天皇・公家)や幕府とも合わせた
重層的な中世の複雑さと、それらと更に複雑に関わり合う戦国大名としての武田信玄の姿は
戦国時代の武家の抗争とはまた違った人間模様が見えてくるような気がします。
オフ会をやるのに、それなりに資料をまとめたので、これがその後さらに追跡調査をする上でも
役立っているんですよね。それと昨年来、相当図書館、特に国立国会図書館に通って、
国会図書館の使い方に慣れてきたのも大きいですね。
今更ですが、図書館の活用方法が日常に根付いてきた感じがしてきていて、
自分の中では、知識の深め方が確立されてきていい傾向。
また、今年はどうする家康があったことで、家康との関わり、また家康と周辺諸大名に関わる
著作が多かったのも印象的。もちろん、家康と信玄公・勝頼公もありますが、
今川氏真や北条氏政などの関係も興味深く、武田氏を考える上でも押さえておきたい…
もちろんとてもじゃないですが、すべては追いきれず、来年に積み残しとはなりますが…
まだまだ、朝倉義景没後450周年ということもあって朝倉義景、ひいてはその同盟者浅井長政…
さらには、その思想性や戦国大名の発達段階を考えて北条氏綱も興味深い。
ようやく、寺社から始まって周辺勢力からみた武田信玄・勝頼という視点のおもしろさも
自分の中で、本格的になってきた気がします。
②三方ヶ原合戦前後の武田軍の足跡を歩く
続いて、三方ヶ原合戦の足跡、またその前哨戦の二俣城攻城までの別働隊の足跡を
徒歩でたどって歩く…というの、本戦ももちろんですがちょくちょく進めています。
歩いてこそ判る高低差、距離感、現地だからこその気付きもあって、これまた楽しい。
堀江城については、昨年少し(ほんの少し…)研究に資することができたことがあったのですが、
それが講演会という形で大々的に企画となって、もちろん堀江城と武田信玄というテーマそのものの
お話も興味深かったのですが、社山城から堀江城に向かって武田軍ルートを辿ったり、
堀江城包囲陣地跡を現地で、また大草山から特定してみたり…などと、
今年になって、ますます堀江城がわたしのなかで思い入れの深い場所になりました。
何より、昨年の、ほんの思いつきの行動がこんな大きな地元の活動に繋がっている…
という、なかなかない感慨深い経験ができましたね。
まだまだ、袋井における秋山の攻勢・撤退路や三増合戦に至る行軍路、
勝頼公の長篠撤退路…など歩きたいところがたくさん。
まずは、新府から景徳院を歩き通してみたいと思います。
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まだまだ今年やり切れなかったことがありますが、来年は特に、積み残している
本や論文からのインプットを増やす、というのをやって、知識の幅と深みをつけていきたいですね。
あと、ちょっと大河ネタに忙しくて城がおざなりでもあったので、
城方面(丸馬出関連)についての追求もわすれずに。
「甲斐武田氏と戦国京都」と「丸馬出の起源と発達、分化」とともに、
高野山にあったと思しき武田信玄甲冑像の行方を追うというのも、自分の中で大事にしたい
テーマとなっていて、自分の関心の持ち方の軸ができてきているのはうれしいですね。
慌てず騒がず、徐々に決まってきたこの3つの「テーマ」に沿った活動を、
10年、15年、20年先を見据えて、知識を蓄積して自分なりに消化・昇華できるようになりたいな。
これもまた、自分の「人生の着地」のひとつ…
本業で行き場を失いかけていた好奇心。ウイスキーに行ったり、城に行ったり…
ですが、再び歴史にもどっぷり…が2014年あたりくらいから、と考えると、
もう10年になりますね。ホント、好奇心を満たすことに伴う充実感は最高だな…
と、来年ももっと城に武田に、充実していきたいと思います。
それでは、みなさま、よいお年をお迎えくださいませ。
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