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名古屋城天守閣フォーラム③ - 安藤教授 -

続いては、安藤教授。農学博士でいらっしゃり、
木質材料学・木質構造学がご専門。
木材の可能性を幅広い視点から考察されておられるそう。

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どうでもいいですが、サラサラヘアーの真っ白な白髪。
けっこう憧れるのですよ・・・天然パーマである時点で、
わたしは絶対ムリだぁ・・・

閑話休題。

演題は「100年後に伝えるもの」

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まず最初に安藤さんが強調されたことは・・・
「新築」であるということ。

オリジナルの天守は焼失し、55年間RC天守が聳え、
史料はあるにしても、すぐ戦前のように国宝なるわけでも、
重要文化財になるわけでもない。
100年ほど経ってはじめてその価値が認められるもの。

未来に残す価値が何なのかを徹底的に議論する
必要性を説かれていました。いかに議論を巻き起こし、
そして集中させ、どうまとめ煮詰めていくか。
それには市民の力が必要だと・・・

安藤さんのお話はこちらに沿ってテーマをブレイクダウン。

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■名古屋城の史実

100年後に評価されることを考えるべきであって、
今のわたしたちが評価するものではないわけですよね。
子々孫々へ何を伝えられるかが問われているわけです。

今わたしたちが悩んで何を残そうとするか、
そういった過程もまた、名古屋城天守の歴史、
名古屋城の歴史、そして名古屋という都市の
1ページとして刻まれていくわけですよ。

焼失したのも、RC天守が建てられたのも大事な歴史。
それをしっかり受け止めて
今のわたしたちが何を伝えるのか・・・
何も江戸城と比較する必要はないわけです。

興味深いのは、歴史的価値という表現の中に
未来が志向されていたことですよね。これまったく以って
わたしも同じ感覚でいます。

歴史というと、過去のコトを想像しがちですけど、
時間軸は未来にだって広がっている。

過去の出来事に感動したり、感心したり、悲しんだり、
楽しませてもらったり。それは意図しないことだったかも
しれないけれど、先人が残した足跡を今享受してます。

でも、同じように今起きてる出来事も後世の人たちに
とっては同じ「歴史」の1ページになるわけで、
そうした人に何を残せるのかを考えるってすごく大事。

だから、徳川盛世録や金城温古録などを残した方の
気概に触れるとたまらなく感動するのです。
で、平成の世の日本人はどうするのか?
・・・・そういうところが問われているんでしょう。

もちろん、400年前の技術を伝えるという
木造建築の技術を100年後の世界に伝える。
文書上のものではなく、目の当たりにできるモノとして
伝えるという点も、後世の残す大きな価値のひとつですね。

■新築建造物の工学的評価

100年、いや少なくとも300年、400年と残していくために、
伝統工法を守るだけではなく、今の知識、今の技術をも
総動員してどう建てていくかを考えるべきというご指摘です。

たとえば、現代工学の知識から構造上の評価を行う
なんてなことも現代だからこそできることですね。

旧天守は確かに333年保ったわけだけど、それはどの程度
創建時に担保されていたか?というと…わかりませんよね。

実際宝永地震で傾き、宝暦大修理で事なきを得ましたが、
起きてからではなく、起きる前にシミュレーションできる
というのも、現代の知識や技術を反映させられる例かも?

これは、われわれの世代に課せられたチャレンジですよね。
復元でありながら、実は創造だと。文化財の復元は
ただ戻すだけではなく、こういう点に創造性があるのだと
改めて気づかされました。

今できる最高のものを。それこそ後世の人を
感動させる、価値を認めてもらえるするために、
必要なことだよなぁ・・・うん。

■用途・目標の設定

用途としては、今担っている天守が実現している
展望性や展示空間としての価値、あるいは体験空間の価値を
木造天守でどう実現するか、あるいはしないのか。

ソフトをきちっと考えるということですよね。
コンセプト設計に重きを置き、
コピーを超えた本物を目指すこと。
これこそが重要、というご指摘には諸手を挙げて賛成ですね。

例を挙げるのはどうかとも思いますが、たとえば
甲府城天守の再建運動などはこの辺が決定的に欠けてますし、
江戸城天守だってもっともっと煮詰めて、ベクトルを
あわせていく必要があると思います。そして名古屋城然り。

■RCから木造へ

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木材は思った以上に強かな材料だと
安藤さんはおっしゃいます。ちゃんと管理すれば…
という条件付でね。

建物として耐用年数300年くらいは保つとはいえ、
維持管理について、プロセス設計とスケジュールや
マイルストーンの策定といったプロマネ的な発想が
建てる前にも重要になってくるでしょうね。

そして、最後に欧州の木造建築活用の事例紹介。
ビルのように見えて、実は木造という。
木造回帰がある意味、世界的な潮流なのかもしれません。

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10分そこそこのお話ではあったのですが、
非常に興味深い、また天守再建に重要な論点を
開陳されていたと思います。うん。

続いては、城好きには有名人で奈良大学学長でも
いらっしゃる千田先生のご指摘。これも城好きには常識でも、
天守や城郭復元の論議では、抜け落ちがちな点を
バシッとご指摘されていていましたよ。

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