神品至宝 … 臺北國立故宮博物院展。
さて、いよいよ明日までとなった東京の国立故宮博物院展。
ちょうど一ヶ月ほど前に行ってきました。
最初は翠玉白菜見るんだ!と意気込んでたのですが、
あまりの人手に断念。一度台北で見ているし、
ゆっくり他のを見よう・・と行ったところ、
白菜さんが去ってしまった後は、比較的混まずに
見ることができてよかったです☆
やはり、台湾で見たときには圧倒的に量が多すぎて、
消化不良だったようで、現地では意識が向かなかった
書や染織絵画、堆朱作品などがすごく気になりましたね。
ということで、図録もいつになく何度も振り返りました。
お土産は肉形石・・・形肉(笑)
肉形石形肉のパッケージ、当たり前のことを
書いてるだけなのに妙にウケる・・・!!
11月末が賞味期限なのでまだとってあります(笑)
ちなみに、図録はリバーシブル。黄地だと東京仕様で
翠玉白菜がお目見え。くるっと裏返すと、
10月からの九州仕様で肉形石。
気になった書・・というのは、北宋最後の皇帝にして
中華王朝史上燦然と輝く文人皇帝のひとり、徽宗。
彼が考案したという「痩金体」に触れました。
実は「痩金体」という字体の存在は知らなくて、
パッと見たときにあの徽宗の字とも知らず、
完全に字体そのものに、魅せられましたね・・・
もうひとりが、少し遡って北宋・神宗時代の文人、
欧陽脩の書。これもよかった・・・
(しかし徽宗も欧陽脩も一発変換ってすごいな、MS-IME…)
単に巧い楷書なら、決まったフォント印刷すれば
いいだけなのだけど、背筋が伸びるような迫力と人間味が。
しかし、漢字って文字が芸術品になるんだからすごいよね。
文字が独立した芸術ジャンルを形成しているんだもの。
これは誇っていい気がするのですよね・・・
そしてもうひとつ感動したのが、染織刺繍絵画。
その名の通り、織物と刺繍でできた絵画。
古代から中世、近世と中国の文物は日本に多く
もたらされているのに、刺繍でできたこの手の絵画は
ほとんど日本には伝わっていないらしい。
特にすごかったのが、南宋時代の逸品である
「刺繍咸池浴日図軸」。
絹の高貴で煌びやかな質感を存分に活かした作品で
絹のキラキラした様子が波の動きだったり、
岩山の立体感、日輪の輝くさまを表現しています。
こればっかりは現物見ないとどうしようもないね・・・・
これをずっと見ていたくて、途中で引き返して1回、
全部見終わってからも、もう一周して1回と
見まくりました、コレ。コレだけで元取れた気分。
そのほか、堆朱工芸も黒漆と組み合わせると、
すごい美しさの幅が出るなと感心したり・・・
もちろん康煕・雍正・乾隆の清の絶頂期の陶磁器や
永楽大典、四庫全書といった大百科事典、
数々の精巧な玉・・・などなど見所満載。
翠玉白菜がなんぼのもんじゃい、思いっきり
中華文明の粋を味わえると思います。
やはり、アジアの文明の源流は中華。
まぁ、中華思想がアレなのはしょうがないとして…
中華、ひいては世界の文化をリードする自負、
圧倒的にレベルの高いオリジナルの文物を生み出んだという
高いプライド、そして過去の文物蒐集にかけた情熱。
中国歴代皇帝の文化的な凄まじさを目の当たりに
した思いがしました・・・
他にもあるでしょうが、今の中華大陸に決定的に
欠けている文化的要素でしょうな。
他所(西洋にせよ日本にせよ)の真似事に終始するなど、
中華世界を統べる皇帝には、我慢ならないことでしょう。
東京展も残すところあと1日。10/7からはいよいよ
九州に上陸、肉形石もお目見えしますよ。
九州の方々、アジアの文物に興味があるならぜひ!
行って損しない展覧会です!超おすすめ!
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