秩父ウイスキー祭り・・・本祭!その1 イチローズモルトの歴史を改めて学ぶ
さて・・・前夜祭を書いておきながら、
一ヶ月も放置してしまいましたが、
4月は信玄公祭りから始まって、大お祭り月間!
ということで、武田と真田のお祭りにわーきゃー(苦笑)
で、いい加減記事書けよという秩父の話も
お祭りでした。秩父ウイスキー祭り。
前日同様、秩父神社にお参りしてから会場へ。
手水場に雪がもりもり…ずいぶんと暖かくなってきた
4月の下旬では少し雪の記憶が遠くなってきましたね。

開会前、関係者さま各位が秩父神社で会の無事を
祈っておられました。わたしもちょっとだけ殿外から参加☆
知知夫彦命にも異国由来の酒は受け入れていただけましたかな?

さて、秩父ウイスキー祭り、開催です!
飲むぞー!!

無事にセミナーチケットも引き換えて。

とはいえ、開始30分でセミナーですので、
あまり頂くことはできません・・・
いいのがたぶんあるはずだから。
伊知郎さんのセミナー!

しかし、神社で執り行うティスティングセミナー
というのも非常に珍しいもんで・・・

ふと見上げると武田菱(笑)
違いますからねーっ!

さて、始まりでございます。

プレゼンターは言わずと知れたベンチャーウイスキー
肥土伊知郎社長です!

1625年までさかのぼる造り酒屋で生まれた肥土さん。
今はご親戚が引き継いでいるとのことですが、
竹鶴酒造よろしくこちらの酒蔵にも寄ってみたいものです。

秩父のウイスキーの歴史は1946年から。
肥土さんのお祖父さんの代に免許を取得し
今はなき、羽生にて製造開始。
これは1980年代に導入されたスコッチスタイルの
ポットスチル。左が初溜釜、右が再溜釜。
ストレートスタイルの下がりネック。

しかし、再溜釜って小さいんだな・・・
そして、本格的につくればつくるほど、
当時の市場で求められていた水割りにして
おいしいウイスキーと離れていく・・・
そしてウイスキーだけじゃなく、日本酒はじめ
複数のお酒を造っていたそうですが、主に
日本酒の設備投資が経営を圧迫し、2004年倒産。
事業買取された先では、日本酒・焼酎中心で
当時ウイスキー市場は縮小の一途、売り方も分からず
場所もとるウイスキーは撤退という判断に。
その歴史は知ってはいましたが、こうして
取り壊される写真を見せられてグッと息が詰まる思い。
連続蒸留機のあったところのようです。

そして、20年近くにもなる原酒も廃棄が決定・・・
そのときの貯蔵庫の様子。この貯蔵庫どんな香りがしたんだろ。

ま、歴史をご存知な方には当たり前ですが、
笹の川酒造さんが救いの手を差し伸べることで
これらの原酒は難を逃れるのですが、
市場の様子を見るとその判断もやむなし…と思えます。

肥土さんが仏さまとおっしゃる恩人の
笹の川酒造山口社長。

続々と運び込まれる原酒たち。

そこでよかったよかったと安心しないのが肥土さん。
ビンテージ、樽の種類の幅が限られてるな…と問題意識から
樽を入れ替えてフィニッシュをかけることを始めたとか。

シェリー樽はもちろん、ブランデー樽、ワイン樽
ミズナラのような新樽も・・・
記念すべき第1号のイチローズモルト。2005年発売。
600本が完売するのに2年掛かったとか。

伊知郎さんのすごいところは、ちゃんと足で稼いで
無名のウイスキーをバーを巡って売り込んでおられたこと。

キチンとノルマと課して、撤退条件も付けて背水の陣。
しかし1日5件で1件当たり3杯となると、
相当な量のウイスキーですよね・・これを毎日。
趣味人で飲んでる分にはいいですが、お仕事で、
しかも、後がないがけっぷちの状態で
やり続けるわけですからね・・・
でもバーテンダーさんに認められて推してもらうしかない、と。
将来のお客さまになっていただけることもあるし、
横のつながりでどんどんと新たなバーを紹介してくれるし、
順調にバー訪問を続けられていったようですね。
資本金を呑み尽くしたらやめようとは思ってられたものの
行く先々のバーで、いつか蒸留所をつくりたいと
語ったことがおもしろいですね!と共感する方が出て、
モチベーションになったそう。そりゃそうですよね!
飲み方もチェイサーをたくさん飲まれることで、
量は飲んでいるものの、健康的な飲み方ではあったよう。
イチローズモルトの名前の由来。
多くの方には今更なのかもしれませんが、
わたしははっきりお聴きしたのは初かもしれません。

なるほど、もう無くなることが分かっている羽生でも
影もカタチもない秩父でもない、過去と未来を
つなぐブリッジブランド・・・
ちょっとこれはわたしの推測ですが、サントリーにおられた
ということで、ブランディングに生きたのかなぁ?
なーんて想像しちゃいました。
実は、アクトーズモルトになるかも知れなかったのには苦笑。
確かにちょっと語呂は悪いですね(笑)
2005年のカードシリーズ初版。
いきなり強いカードエースを最初に出しちゃった(笑)

当時はシリーズ化する予定がなかったからなんですね(汗)
このカードシリーズのデザインもたまたまバーで
出会ったデザイナーさんと4種類のカスクを出すに当たり、
どんなのがいいかな?と話す中で出てきたデザイン。
これがバックバーに並んでいると、お客さまから指名が
出ることがあるそうで、知名度が上がることになったとか。
偶然が織り成すプラス効果ですね・・・
そしてダイヤのキングがウイスキーマガジンで
プレミアムジャパニーズウイスキー特集で高得点ゲット。
(これもラベル効果が働いたのかも)
ここからウイスキー好きの中でも、イチローズモルトとは?
と広がりに加速が付いたのだそうですね。
現No.1ドリンクスに目がつけてもらって
海外のイベントに出展したりもしたそうですね。

あまり英語が得意でなくても、向こうもウイスキーが好きで
聴こう聴こうとしてくれているわけなんで、
そんなことはあまり問題ではないんでしょうね!
そんな中で、蒸留所建設に向けて動く肥土さん。
市場は右肩下がりではありましたが、
ニッチだからこそコアで、応援してくれる固定層を
味方に付けて走り始めるのです・・・

如何にマクロで見て市場が下がっていようとも、
バーに来ている方はシングルモルトを皆楽しく飲んでいる。
それをしっかり肌身に感じておられたからこそ、
いいウイスキーを造れれば、やっていけるはず、
と信じられたのでしょう。
蒸留所開設にあたりいろんなところで学んでおられるのは
知っていましたが、軽井沢でも研修されているんですね。

これもメルシャンの役員の方とバーで知り合って、
実現したのだそうですよ・・・人がキャリアをつくるんだなぁ。
ポットスチルの清掃風景。

そうしていよいよ秩父の地に蒸留所開設。
開設前の秩父蒸留所敷地。

地鎮祭はもちろん、秩父神社の神主さん。
よくバーでお会いする方だそうで(笑)

本格的にウイスキーの蒸留所立ち上げるに当たり、
スコットランドにて研修。ベンリアック蒸留所にて。

ミドルカットのタイミングなんかも
ここで勉強されたんですね~

ノージングのノウハウも。それぞれのやり方が
あるんでしょうね。

平行して、フローチャート図をつくって
設備の設置計画を進めていきます。

前日に見た秩父のポットスチル。
フォーサイス社の手作りですよ!

手作りの様子・・・ホントに手作り!
職人技ですね・・・

ということで、次は秩父の気候環境編。
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