晩秋の九州攻め・・・(3)永山城 ~ 石窯信玄
さて、日田は永山城。前回は日田洋酒博物館で
ウイスキーグッズのあれこれを見るのに忙しくて、
全然城のほうは・・・だったんですよね。
というか、また今回九州を訪問するにあたって、
日田で飲もうとしていたわけでして、
日田には城がないのか・・・と探したのが永山城。
普通なら、日田豆田町あたりを散策するんでしょうけど…
古そうな蔵がたくさんあって、ちょっと竹原っぽい。
マンホールは鵜飼。鵜飼というと、
美濃長良川の鵜飼が有名ですが、
日田でも鵜飼の歴史があるようですね。
土蔵も興味深いんだけど…機会があればまた。
すでに山・・というか丘の上に石垣が見えますね!
月隈山という小さな丘。
永山布政所跡。1633年に天領化して
永山城は廃城となった後の陣屋跡。
一般的には、日田陣屋/日田代官所というみたい。
少し進むと三の丸跡。丸山城の遺構というより、
日田県庁が置かれていた明治初期の石垣らしいんです。
とはいえ、規則正しい切込接布積の石垣は
江戸時代初期の様相として感じられますけど…
明治=谷積の先入観がどうしてもあって(苦笑)
大手門につながる石橋下の亀甲積石垣。
大手門をはさんで左手の石垣は、
ちょっと今にも崩壊するんじゃないかという
孕みっぷり。危ない危ない・・・
この三の丸跡、日田林工高等学校の
体育館になってるみたいで、どったんばったんと
やるもんだから石垣に荷重がかかってるんじゃ…
この辺は谷積。すっかり九州で谷積を
見ることは多いなぁという印象ですけど、
いわゆる明治期に増えた谷積とは違っていて、
やはり江戸時代の谷積っぽさを感じるのですよね…
今は行けませんが、西虎口。
どういう構造になってるのか見てみたいもの。
三の丸石垣西側隅。石のお化粧を見ても
やっぱり「永山城」としての石垣に見えますな。
ここから月隈山の麓をぐるっと。
折れて北に進んで見える石垣…
なんかこの谷積、半円弧を描いていないか??
これ、城メグリストさんに教わったんですが、
同心半円型落積という珍しい積み方。
一般に江戸城、姫路城、白河小峰城にしかないと
言われているそうですが・・・これ、そうよね?
が、しばらくしたら石垣が消えて土塁…というか
山肌がそのままという感じになっていきます。
ぐるっと回って東側。ここにも半円弧を描く
石垣がみつかりました。
ほらっ!ここにも。
ほらほら。留まるトコロを知りません!
明治期にこうした技巧的な積み方があったのは
なんとも不思議というより、違うんじゃね?
というように思えてしかがたないわけでして。
城ねこ。おばあさんになついてる。
ただ、東隅の隅石が幾分変な気はしないでもない…
さて、いよいよ月隈山に登りますよ!
あの横穴は古墳跡。臼杵城にもありますよね。
なんかポカーンとした人の顔のよう。
かーいい(笑)
中はこんな感じ…石棺とかありそうな雰囲気。
さて、永山城。アチラに見えるのは伝天守台…
だそうですが、石が丸く川石を使ってます。
こちらから行くのが正統なんですが…
よし…
どりゃぁぁぁぁ!っと山肌を駆け上がって、
天守台下までショートカット(笑)
川石を割った形跡もなく、そのまま持ってきて
積んでいるような印象。よく積めたな…
それでもやっぱり谷積っぽさはあって、
九州の谷積の多さにちょっとなんか理由があるんじゃ?
と思わずにいられませんでしたよ。
ただ、隅石だけは加工された切石を使ってますね。
川石の丸々した石の中にポツーンと長方形の石。
隅石予定の残りを放り込まれたのかな(笑)
ただ伝天守台とはいえ、虎口を守る櫓が
あったというような感じですね。
ま、天守でも良いんですがルート的に…
あっ、変なショートカットしたからかな(笑)
石垣は一部だけで、伝天守台の奥は土塁が
伸びていましたよ。
月隈城址・・・ちっさ(笑)
元は山城だったところを少し石垣を
足したような感じですね。
しかし、正式ルートでぐるっと回って
本丸に達するところの虎口の石垣がまた…
ものっすごい川石つかいまくり。
使い方としては、虎口の強度を高める
山城っぽい石垣の使い方。
川石をつかった石垣では、遠江国の横須賀城が
有名ではありますが、山城(というほどでもないけど)に
使われているのはおもしろいですよね。
しかし、永山城はわかっていないことも多いらしく
今後の調査が待たれます・・・うん、満足。
一旦、ホテルに戻ってから前回行こう!
と思っていたイタリア料理屋さんに…その名も
「石窯信玄」さんです!
実は結構遠いんですけど、ガマンして歩きましたよ…
歩いて30分ほど。マットが信玄さん(笑)
オーナーの娘さんが描いた信玄さんなんだそうです。
メニューにも信玄さん。かわいいお屋形さまだ!
残念ながらメニューを見て、これだぁ!
と思った秋茄子のピッツァは売り切れでしたが、
四種のチーズがふんだんに使われ、
メープルシロップや蜂蜜をかけて頂くピッツァが格別☆
ホント、美味しかった。チーズ好きには
大満足の一品。歩いてここまできてよかった。
そして、チーズにメイプルという組み合わせの
おもしろさ。甘みをもってくるとは…
他でも試してみたくなりました。
このピッツァのお供にはもちろん赤ワイン。
南アフリカのウガパ。フレンチオーク樽熟成10ヶ月、
ってとこに興味が惹かれました!
ワインは詳しくないのだけど、
ウイスキーとのツナガリで樽熟成しているのを
選ぶとよいのかもしれないな。まだ売ってるね。
ポチッちゃおうか。安いし。
ちょっと物足りないので、地鶏の炭火焼も。
これがまた…美味いんだわ。
いやはや、ご馳走さまでした。
日田名物とかではないですが、いい食にありつけました。
お店を出るときに、なんで信玄なんですか?
と訊いてみたんですが、以前お爺さまのやっていた
お店の名前を引き継いでいるとかで、詳しいことは不明。
そして、歩いて戻る途中に酒屋さんがあったので、
ふらりと入ってみると…旧スーパーニッカの
「ひた」ラベルがあるじゃないか!即買い!
ラベルは鵜飼。そっか日田って、
鵜飼のイメージなんだな…
たぶん、ニッカの工場がかつて日田に
あったゆかり、なんでしょうねぇ。
思いもかけず、お宝をゲットできてホクホク。
この勢いで、日田洋酒博物館でさらにウイスキーを
引っ掛けていきますぜ。
頂いた中でオールドボトルがよかったなぁ。
NIKKA G&G。古きよき時代のニッカ。
SUNTORY GOLD。
30年くらい前の商品らしく、今とかなり目指す
酒質が違うような。骨がありつつも優しさも。
飲みやすさだけではない感じですね。
せっかくなら同時に注文して、ニッカとサントリーを
比較してみたらよかったかなぁ。
さて、次の日は早起きして肥後八代へ。
前代未聞の石垣を磨く貴重な体験に向かいます。
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