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2012.12.30

駿府城坤櫓。

さて、坤櫓の見学。あちらがその建築現場。
わくわくするなぁーっ。

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11月10日時点の様子。二層・三層垂木掛け完了、
ということで、瓦を葺く前の様子が見れるんです☆

P1200111

そもそも坤櫓とは?ということですが、
1635年に焼失し、1638年に再建されたそうで、
この1638年の坤櫓が、幕末まで残っていたそうです。

P1200113

工事現場に入ってすぐ真向かいに見える石垣。
このあたりの石垣は古そうですね・・と
さらさんと会話しながら。

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立入禁止にはなっていたので、詳細は見れず。

P1200117

あの石ごろごろはナンだろう・・・破却された
石垣の残存のように見えなくもないんだけど。

P1200118

さて、着席してお話を聴きます。
時間がなくて出土した瓦はじっくり見れなかったなぁ。

P1200116

文化財課の方からご案内。立派なパンフレットつき。

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この資料によると、縦横高さ七間(約14m)の
二層三階の本瓦葺入母屋造。建築工事で約4億円、
資材(木材)の購入に約2億円、計約6億円。

比較対象としては・・・

熊本城宇土櫓:九間×八間
名古屋城西南隅櫓:七間×六間
高知城天守:八間×六間
宇和島城天守:六間×六間

ということで、地方の天守にも匹敵する
大櫓であることがわかります。

復元資料としては、「駿府御城惣指図」、
「駿府御城内外覚書」が中心。不足している情報は
同じ坤(南西)の方角にある名古屋城西南隅櫓を
参考にしている、とのことです。
外観に関する資料は、少ないのでしょうね。

■参考:名古屋城西南隅櫓

eastsouthyagura

■参考:二条城東南隅櫓

p1170264

■参考:二条城西南隅櫓

p1170320

ご案内は、(有)建築文化研究所の八木所長に
ご担当して頂きました。

もちろん、木造復元になるわけですけど、
檜、杉、丸太部分は松が使われているそうで、
6割程度の建材は、静岡県産の木材だとか。

特に大きな檜材、松丸太なども日本国内産の
材木が使われているそうです!
松は、山陰産だそうですね。

約230年、この駿府の地に建ち続けていて、
この再建坤櫓も長く伝えていくために、
耐用年数と強度を考慮して、建材は
心材(赤身)部分を厳選仕様。

また、切り出すのは秋口に切り出すのが、
強度の面から言って一番いいとも。

完成すると、軸組を目にすることはまず無理ですし、
建築基準法の関係(?)で公開は初層部分だけ
になるのだそうで、二層三層を見ること自体、
かなりレアになりそうだとか。
完成した二層三層も見たいんだけどね・・・・

さて、期待を胸に坤櫓にGo!

P1200119

こちらは、漆喰の下地に塗る予定の荒壁土。

P1200123

粘土質が強いと乾いたときに割れるので、
粘土質の少なめの土が適しているそう。
さらに藁寸莎(わらすさ)を混ぜて寝かせることで、
発酵し粘性が出て、壁材としての強みになるんですね。

P1200122

しかし、大量に準備されているなぁ・・・
これが、全部あの櫓に塗られるわけですか。
寝かせるのは、おおよそ6ヶ月程度。
途中で空気を入れるために練り練り混ぜたりも。
急いてはならぬわけですな。

こちらは竹材。こちらも木組みを形成する材。
そ、そうなの・・と思っていたら、
後でこう使うのかぁとわかったのでした。

P1200125

一層部分。こちらは後でもう少し見るとして、
足場を伝って、二層三層部分に急ぎましょう♪

P1200126

ちょうど二層部分から見た富士山!
家康創建の駿府城天守、二層部分に高欄が
あったと記録があるそうで、ちょうどこのくらい?

P1200139

で・・・出ました!三層部分。
名古屋城本丸御殿のような軸組・素地の状態を
手で触れるくらいの間近で見られるんです☆

P1200140

瓦の葺き方は、古い土葺きではなく
針金で瓦を括り付ける方法が取られています。
風に飛ばされにくく、葺土の分だけ屋根を
軽くできるというメリットがあります。
やはり、土の粘性が長い間に劣化していくそう。

1638年創建当時は、この方法は考案されて
いませんでしたが、230年もの長い間、
何度も補修されていたことを考えると、
幕末にはこの形態だったことは、考えられますよね。

この上に瓦を載せて、針金で固定。
屋根板の固定は、土葺の場合は竹釘を大量に使って、
固定したそうですが、空葺の場合は金物の和釘。

P1200167

が、釘までは和釘で・・というわけにいかず、
出来合いの洋釘にせざるを得ないみたい。

こういう反りって、やっぱり惚れ惚れする。
櫓は戦のための施設だから、寺院建築に比べると
反りの部分は少ないそうだけどね。

P1200143

武者走り部分。ちょうど人がすれ違えるくらいの
幅でしょうかねぇ?

P1200150

この材とか、高そう~!!

P1200151

入母屋部分のドアップ。なかなかこういう画は
模型ではあっても、現物見ることがないですよね!
ぶっとい梁もはっきり見えますね!

P1200158

石落とし。
坤櫓では二層部分南面・西面の中央に
張り出した鼻のようなカタチで、
石落としが備わっています。

P1200165

二層部分。三層部分と比べてさほど広くなく、
三層部分の武者走り分が一回り大きい程度。

P1200171

なんかうれしくなっちゃって、いろんな角度から
撮っちゃいますね(笑)

P1200178

この空間に入って深呼吸したい・・いや、
ここからでも充分よい香りなのですけど(笑)

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いいね、いいねー♪いいよ、いいよーっ☆
だいぶんテンション、アヤシくなってきた(汗)

P1200203

もう撮るのに必死・・なんで、このアングル?
というのはあるけど、とにかくいっぱい
撮っときたかったのでしょう(笑)

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P1200224

二層部分に先ほどの竹を発見。こうして屋根板に
釘で打ち付けるんですな・・

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この紐、どう使うのか訊くの失念・・・

P1200191

しかし、1階の見学はナシ。お披露目の日まで
お預けかなぁ。

P1200231

時間にしてはほんのわずか、1時間もないくらい。
でも、こんなに間近で手に触れられるって、
すごいね・・・感激っすよ!

ということで、テンション覚めやらぬ間に・・・
さらさんおススメの浅間神社へ。

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