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ブレンダーズウイスキーNo.15 & シングルカスク余市1994/宮城峡2002

さて、年の瀬だというのにどんどん記事を
ぶっこんで申し訳ないですが・・ま、明けてからにでも
見ていただければ、ということで琥珀記事。

11月末と12月末のNIKKA BLENDER’S BARイベント。
11月は河井ブレンダーによる新作ブレンダーズウイスキー、
12月は新しいカスク余市1994/宮城峡2002。

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■ブレンダーズ・ウイスキーNo.15

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麦の秋、麦秋をタイトルに語るは・・・

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カフェスチルの達人、河井ブレンダー!

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西宮におられたということで、少しイントネーションが
関西風?という感じがして親近感があります。

で、そもそも「麦秋」とは・・・二十四節気による
季節の呼び名、5/31~6/4。初夏のさわやかな時期、
なんですね。秋ではないんです(笑)

その「麦秋」の雰囲気を出すのに、
播州平野や米原あたりの収穫前の麦の様子が
出ているあたり、やはり関西人という感じ(笑)

二十四節気とか詳しく知りませんでしたが、
ウイスキー外の知識が思いもかけず、得られました。

で、この話題が出てくるのは・・モルティを
イメージされたから、ということ。

レシピの上では、グレーン6割と一般的な
ブレンテッドに近いくらいグレーンが多めで、
ウエハースのような甘さを主体として、
組み立てになっているとのこと。

ピーティ&ソルティも味を締めるためには、
必要なのは皆さんおっしゃいますね。

個人的には、河井さんが仰るような、麦芽の甘さが
トップに。ウエハースや食パンのほんわりした
優しい甘さ。それを殺さぬ具合の少しメイプルっぽい甘み。

やはり、ブレンドの妙だよなぁと思うのが、
グレーン60%あるにも関わらず、グレーンにありがちの
ドーンとした、やもすると単調になりがちな甘みで
終わっていないところですね。

ま、言うは易しいんですが、こういうバランスに
行き着くにはなかなか素人では難しいですよ・・・
(ブレンド教室の経験者として。笑。)

わずか1%の違いで、口に苦味が残ると却下になった
最終候補で落ちたウイスキーの話なんかも
まさにそのわずかな違いが生み出すバランスの差、
が如実に現れる例ですね。そこまで感じてブレンドを
できるようになったら、一人前かなぁ。

■シングルカスク余市1994/宮城峡2002

さて、年末。21日に新しくアサヒショップに出た
カスクの試飲会。ある意味ニッカラヴァーズにとっては、
忘年会のような感じの集まりになりました(笑)

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意外と早く到着でき、いつになく(こっちサイドは)
まったりとお食事なんてして、開始待ち。

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今年のトリは、山下主席ブレンダー。
すっかりこういうイベントものでは、ニッカの顔に
なられつつありますよね。

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実は、河井ブレンダーの回にも飲めはしたのですが、
やはり解説付きで飲んでおきたいですよね。

・シングルカスク余市1994

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樽番号:400749、樽詰日:1994年2月2日
アルコール分:62% 樽種:リフィルバット

ここで、山下さんから「おおっ」な情報。
先般のSMWSで出た余市116.17、18の際に樽種が
間違っていたという件もこれではないかと思うんですが…

われわれも含め、「リフィルバット」というと、
それだけで「シェリー樽」をイメージしちゃいがち。
実は、そうではなくこれは新樽の2回転目。

その理由は、今の栃木工場でつくられる新樽は
ちょっと寸胴なカタチをパンチョン。
でも、この原酒に使われていた樽は、
同じ500Lでも背が高いバット。

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かつて栃木工場でつくるまえの新樽…というと
余市や宮城峡で製樽していた頃でしょうか、
このときには、スマートな形をしていて、
その2回転目ということで、「リフィルバット」と
表現されたようです。ふむふむ・・

てことは、あの新樽当たり年の1987年蒸留の
新樽ロットもこの「バット」な形をしているんですね?

てことで、薀蓄はこのくらいにしてティスティング。
62%ということでグッとした強みがあるのですが、
新樽1回目のようなどーんとした樽の香りではなく、
ちょっと後に退いた感じがし、ほわっと麦芽感をよく感じ。

加水すると「余市の余市からぬ」と山下さんが
おっしゃった余市らしからぬという穏やかさが
(個人的には)出すぎる感。

乳酸菌飲料にも喩えられるような不思議な香りで、
他の原酒と比べ、乳酸菌の発酵の違いに
よるものでは?という山下さん。

一方、ピートが塩っぽく感じるのは好感。
クリーミーさがバターを醸しだす、旨味のある余市。

宮城峡から戻って、ふと余市を口に含むと
カマンベールチーズのようなクリーミーさと塩味に。
この乳製品っぽさは、やはり先ほどの乳酸菌の仕業、
なのかもしれませんねぇ。

・シングルカスク宮城峡2002

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樽番号:102949、樽詰日:2002年12月13日
アルコール分:62% 樽種:リフィルバット

62%というだけで、そのアルコール度数から
ラックの中ぐらい、ダンネージなら3段目などという
ことがわかるんだそうですね。

湿り気が多いとアルコールから飛んでいき、
逆だと水分から飛んでいくということなんでしょう。

これ実は、河井さんの回で後で飲んで、
すごくデキたヤツだと惚れ込んでいたのですよね。
9年という若さで、ものすごくフラワリーな芳しさと
さらに少し香ばしくもフレッシュなリンゴ。

てことで、すでに2本買っちゃっていたのでした。
このときに飲んでも、やはりこのエステルパワーには
改めて惚れ直しましたね。フルーティとフラワリーが
これでもかというくらい弾けるイメージ。

山下さんも「これがわれわれの『狙っている』宮城峡」
とおっしゃるほどのザ・宮城峡とも言うべき作品。

飲み口も軽快で…というところで、ドロップの喩えが
山下ブレンダーと同じでおおっ!と思ったり。
人に喩えると、エレガントだけどお淑やかすぎず
快活なお嬢さま・・・というところでしょうかね。

このカスク宮城峡、山下さんはハイボールもいいよ?と。
62%の原酒をハイボール、てことは5倍くらいに
薄めること、つまりはそれだけ炭酸のガス感が強い
爽快なハイボールになるというわけ。

これ、夏まで取っときたいなー・・・ウィルキンソンの
強炭酸で暑い夏に頂きたい!てことは、
ちょっと取っておかないとね(笑)

■おまけ:シングルカスク選定の過程

この後、樽の話があったのですが
特に興味深かったのが、カスクとして
アサヒショップに出す原酒の選定の過程。

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その年々で、原酒は違うわけですから、
味と香りを揃えるためのレシピづくりをします。

年1回、そのベースとして余市・宮城峡・栃木の
各貯蔵庫から大量のサンプルを取って回るそう。

その際には、同じロット(同じ樽詰日や樽種など)で
代表的な一樽をサンプルとしてまず取るそう。
その数、年間で1,500~2,000サンプル(驚)

このひとつひとつを官能評価し、ブレンダー同士で
読み合わせを行うなかで、光るモノがあると、
「これカスク候補じゃね?」とチェックを
入れておくんですね。ほぉほぉ。

そして、カスク出しましょう!というときに、
チェックを入れておいたロットの樽をすべて取り出し、
改めて官能評価をして、さらに「これは!」
という一樽を出すわけですね。

原酒や樽成分の、科学的な分析や
アルコール濃度の詳しい計測まで行うそうで、
選定までの難関を突破した一樽を
われわれは頂いてるんですね・・ありがたい。
そう思うと、大事に飲まなきゃなと思いますね!

わずかな違いを拾い分けるノージングって、
けっこうツライ?だろうなぁと想像。
コメント付けるのも大変みたいですが(笑)

さて、これでNIKKA BLENDER'S BAR納め。
後半からはイベントだけの参加で、
ちょっと申し訳ない感じもしましたが・・・
ちょうどここに来るようになって、4年半。

これからもいろいろお世話になりたいBARの
ひとつですね。ニッカファンなら外せないですね。
2013年もよろしくお願いいたします☆

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