城と琥珀色にまみれる初夏の旅 ~ その14 尼崎城・富松城・有岡城
さて・・・ようやく7月の話が最終話に。
こんな長くなるとは・・・
■尼崎城
わたし、祖母が尼崎にいたもので、
少なからず尼崎にはお世話になってて。
途中で、わたしが小学生の夏休みに
よく通った尼崎市民プールだとか、
nikko81の歴史スポットを紹介したり(いらん!)
でも、城跡は一切なくなっている
とばかり思っていたですが・・・
尼崎中央図書館。ここに模擬石垣が
あったんですねぇ・・知らんかった。
このあたりは、北城内という地名。
かつて尼崎城の中心地であった名残ですね。
模擬模擬(笑)してはいますが、
一応は、それらしいものはあったんですね・・
左端の土塁はちょっとおかしいけど、
一応、算木積にはなってるようだし、
石垣の積み方としては違和感はないんだよね。
ね。上の土塀(じゃないだろうけど)は
妙に石垣の手前で違和感ありあり。
ある意味現代でも、ちゃんと石垣を積めるんだ
というように思えなくもない。
ドリル穴は残念だが、そこまで求めるのは酷か。
狭間の間から葉っぱが・・・
鼻毛が伸びてるみたいでかっこ悪い(笑)
駐輪場の入り口。ふと上を見ると、
新聞紙挟んである・・爆笑。
このあとは、尼信会館。
あましん・・つまり尼崎信用金庫。
あのあましんと歴史博物館、
どうにもリンクしないんですけど、
私設博物館のような形でイイ史料がありました。
2001年開館ということで、それだったら
知らないわけですよね。
尼崎信用金庫の創業時の本店が、
尼信記念館として保存。
尼崎に3つしか残っていない明治時代の
貴重な赤煉瓦建築なんですって。わぉわぉ。
で、中の見学なんですが撮影禁止ではありますが、
尼崎城の模型の秀逸なこと!驚きました。
尼崎城は、大坂の陣後に秀忠の命で
大坂城の西を固めるために1617年築城。
まずすごいのが尼崎城の櫓・本丸御殿を
克明に描いた分間絵図。この時代にしては珍しく
立体的に、かつ実測に基づく寸法が
非常に細かく描かれているんですよね。
天守は四重四階、総白漆喰塗籠の
典型的な層塔型の徳川系天守。
こちらに詳細な解説がありますが、
城跡は跡形もなく消え去っているのに、
天守の構造や規模、デザインが
はっきりわかる貴重な城なんですね。
いやいや・・・城跡がないからと
馬鹿にしてたよ、尼崎城。申し訳ない。
だからなんでしょうね、この模型の詳細さ。
見事としか言えず、ただただ圧巻。
岡山市デジタルミュージアムの岡山城本丸模型、
福岡城むかし探訪館の福岡城模型も
ものすごい見ごたえがありますが、
こちらは、全く城跡の痕跡がないだけに、
尼崎城をダイレクトに感じさせる貴重な模型です。
そして、立派な海城だったんだなぁ、と感動。
美しく琴柱を立てたように見えることから、
別名を琴立城といったのだそうです。
逆に立派過ぎて、5万石大名でこれを
維持するのは大変だったんじゃないかな。
あと、信用金庫の博物館らしく(?)、
世界の記念コインや日本の古いお金の展示も。
わたし、けっこうコインを集めてた時代があって、
なつかしさもあって、こちらも楽しめました。
いやー、これまた来たいなぁ。
尼崎なんて、墓参りのときには必ず来るからさ。
いつもお墓に参ってとんぼ返りなんだけど、
ちょっと、アマの楽しみができそう(笑)
ここから寺街も近く、せっかくなら、
ということで、法恩寺にもゆくことにして。
法恩寺は、肥後国人一揆の責任で秀吉に切腹を
申し付けられた佐々成政が果てた地。
残念ながら、墓石の五輪塔は見れず。
お隣の甘露寺の鳳凰も気になったけど。
旧本堂のイメ-ジをとどめて改築・・・とあるのは、
あーあ、という感じではありますが、
屋根の鳳凰が予感させたとおり、
平等院にもいらっしゃる雲中供養菩薩が
祀られているのだとか。ほぅほぅ。
瓦にも鳳凰がいっぱい☆
■富松城
今回の城攻めの3つ目の小さな城跡、富松城。
県道606号沿い、塚口と武庫之荘の中間。
これまた、こんなところに城が・・という感じ。
近づけはしませんが、土塁が残ります。
そして、堀。こちらは南北方向。
奥の土盛が角だけ、少し張り出している
ように見えますよね。あそこが出隅に
なっていたのでしょう。
そして、606号沿いの東西方向。
小さな小さな城跡だけど、地元の人が
保存に尽力されているようですね。
今はこうして中世城郭らしい姿ですが、
昔は木々が生い茂っていたみたい。
城として確認できるのも、城を活かそうと
してくださる方々の賜物ですね。
■有岡城(伊丹城)
さて・・最終地点・有岡城。
JR福知山線・伊丹駅の前。伊丹もなじみ深い。
伊丹といえば、初めて酒を飲んだところ。
飲み始めから、ウイスキー主体だったのですが、
最初の最初は、日本酒とビール。
こちらの白雪・長寿蔵ブルワリーレストランで
20歳になったその日に飲んだのでした…
って、またまた要らない情報(笑)
あっ、カラーマンホだ!とマンホラー的な
ところを見せつつ・・・(笑)
今まで見てきたこの石垣、模擬なんですって。
よく考えたらそうか、近世城郭になってないもんな。
黒っぽい安山岩の布積石垣、江戸城みたい。
本来の有岡城石垣(でも積み直し?)はこれ。
やはり、織豊期の石垣という感じの野面積よね。
建物の礎石跡。
奥には土塁が続いているので、当時も
土塁止め程度の石垣だったのでしょうね。
近世城郭チックな石垣で補強されてますが、
腹巻石垣の上の土塁が当時のもの。
道を隔てて反対側にも土塁が続きます。
サイガさんが相当昔にお越しになった際は、
ここが地続きだったようです。
駅前ど真ん中ということもあって、
この辺の土塁はきれいに整備されています。
城の一部だとは、気付かないだろうな。
ここでサイガさんとはお別れし、
ゆうりさん、さらさんと有岡城惣構北面遺構、
岸の砦(現:猪名野神社)へ。
西面を中心に土塁が残っていますね。
土塁を越えた先が下り坂になっていて、
堀跡なのかな・・と思ったけど、
わかんにゃい(笑)
一瞬、土塁に夢中の城ガールとはぐれて
焦りました・・・みつかってよかった(笑)
時間の関係でなくなくさらさんとお別れし、
ゆうりさんとKYK(東京にない!)で、
今回の城攻めの打ち上げをば。
いやー・・・濃い時間でしたね。
もう琥珀色と城ばかり。むはははは。
琥珀色のほうは、今回で全国内蒸留所を制覇、
という達成感、そしてグラスを自分で
気軽にデザインできそうな可能性をつかんで満足。
城のほうは、山城の見方が少しわかったこと、
小浜城と淀城の石垣のすばらしさ、
思いがけない尼崎城のかつての美しさ・・・
なにより、ゆうりさんのチョイスがすばらしく
感謝しきりですね。尼信会館はほんま穴場!
なんで知らんかってん!とちょいと悔しかったです(笑)
いやいや、楽しくも濃い日々でありました。
お世話になった方々、ありがとうございました。
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コメント
nikko81 様 こんにちは。
オラはその信用金庫のOBです。懲戒免職ではないので、
撮影禁止なら、写真をもらうなり、便宜をはかることが
できたかな??と思います。
結果としてお役に立てなかったかもしれませんが
(;一_一)
投稿: 呑んだくれ | 2012.09.12 22:43
nikko81です。
●呑んだくれさん
そうだったんですかー!!
ああっ、その便宜にあずかりたい・・
宣伝はたっぷりするんで・・・
また、行く前に連絡します(汗)
投稿: nikko81 | 2012.09.13 00:55