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御殿場バスツアー presented by Bar Virgo 連続式蒸留機見学編。

こちらも約1ヶ月前のこと・・・懇意にさせて
頂いている赤坂見附のBar Virgoさんにお誘いいただき、
キリンディスティラリー・御殿場蒸留所へ。

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御殿場というと、前日に小田原あたりまで行って
ゆったりして、翌日朝から・・という感じですが、
バスツアーだと、気兼ねなく行けて実にありがたい・・・

内容的には、昨年末に参加したうんちく教室+α
という感じで、+αの部分はブレンド体験。

前回は田中チーフにご案内いただきましたが、
今回は鬼頭チーフにご案内いただき。

■仕込・発酵

ちょうどモルトのほうは糖化が始まっている頃で、
マッシュタンを見せてもらえたほか、グレーンの糖化槽
クッカーのご説明も頂きました。

とうもろこしだけだと発酵しないので、
蒸気で沸騰させながら、モルトを加えて発酵。
モルトのような麦汁ではなく、どろどろの
おかゆみたいになるんですね・・・
アルコール度数約10%程度。洗うの大変そう。

この後、蒸留工程に進むわけですが、
いわゆる一般的な連続式蒸留機のほか、
バッチ式という連続式ながら香味が豊かなグレーンを
つくる蒸留機やバーボンに近い蒸留方法を
とるヘビーグレーンをつくる蒸留機も。

グレーンにコダワリがある、御殿場蒸留所らしい
ところが感じられますね。

■連続式蒸留機(1)ビアカラム

御殿場のスペシャルツアーに行って何が
目的かって・・これこれ、連続式蒸留機見学。
普段は入れませんからねぇ・・

写真はもちろんダメですが、
きっちり解説を頂きましたよぉ。

まず、すべてのグレーン発酵液は、
ビアカラムといわれる初溜釜に相当する蒸留機に
一度集められ、蒸留されます。

発酵液を「ビア」と呼ぶのは、シーグラムの
バーボン製造技術を入れているため、
アメリカ的な呼び名なんですね。

ここでの主な目的は、固液分離。
カラム(塔)の3/4くらいの高さから、
先ほどの発酵液を落としつつ、
下から蒸気で熱していき、発酵液がどんどんと
熱せられながら落ちていくんですね。

その途中で、網が幾層にも張ってあり、
その上で蒸留が起きてアルコールや
香味成分は発酵液から分離・気化して上昇、
発酵できない固形成分などが、下にたまります。

ここでできた粗留液が、3つの精留釜に別れ、
ライトなグレーンから、香味豊かなグレーンまで
つくりわけられるんですな。

■連続式蒸留機(2)マルチカラム

一番ライト、つまり香味成分が少なく、
アルコール純度が高いグレーンの精製・・ですが、
マルチカラムという装置で精留(2度目の蒸留)します。

4つのカラム(塔)で1セットになっていて、
ビアカラムの隣から、アルデヒドカラム、
精留カラム、ヘッズカラム、フーゼルカラムと並び、
アルデヒドカラムと精留カラムでグレーンをつくります。

ちなみに、ヘッズカラムとはその名の通り、
精留初期に出るヘッズを回収するカラム、
フーゼルカラムは、高沸点の揮発性成分として
出る(テール?)フーゼル油の回収を行うカラム。
直接、グレーンの精製には関わりません。

ヘッズはフーゼル油は香料の原料として、
香料会社に売却され、アルコール感を出すための
香料の主成分になるそうで・・・
ノンアルコール飲料などにも含まれてるのかな?

さて、アルデヒドカラム・精留カラムともに、
ダブルキャップと呼ばれる粗留液が溜まる部分が
何層にも渡って設置してあり、蒸留が繰り返されます。

アルコールの沸点くらいの温度の蒸留液が
集まるところで最も高濃度のアルコールが取れ、
それを少しずらして、香味成分を増えていくわけですね。

ニッカのカフェ式蒸留機と比べると、どの程度まで
純粋なアルコールを抽出できるかという精度が
違うんでしょうねぇ。

■連続式蒸留機(3)バッチ式カラム

ただ、キリンのグレーンはマルチカラム式の
一般的なグレーン製造法によるものは主流ではなく、
このバッチ式カラムが80%程度を占めます。

ニッカがカフェ式蒸留機で、香味のあるグレーンを
つくろうとするのに対し、キリンは別のアプローチにて、
香味のあるグレーンをつくっているわけですね。

粗留液は、ビアカラムで蒸留されたもので
共通なんですが、6万リットル程度入る
大きなタンク(ケトル)に一回溜めていきます。

そこに熱を加えて、(連続的ではなく)蒸留。
「バッチ式」とは、コンピュータの処理の「バッチ処理」
と同じことで、溜めて一度に蒸留するところから。

ここで上がったアルコールを含む蒸気を
先ほどのマルチカラムの精留カラムに戻していくと、
高いところから低いところまで、それぞれが
一定の温度で特定の成分で満たされるようになります。

高いところにはヘッズの成分が、次に
アルコールとエステル香の部分、
より低いところには、テール部分があつまり、
それぞれを分けて回収していきます。

もちろん、アルコールとエステル香のある部分が
グレーンウイスキーの元になるわけですが…

ポットスチルでもヘッズ・ハート・テールを
分けられるんじゃないの、と思いがちですが、
やはり、そうすると香味成分が多すぎ、
グレーンとして求められるライトさに欠けるんだそう。
適度に香味成分を残すのが、難しいんでしょうね。

その意味では、カフェ式蒸留機が(旧式なため)
結果的に、香味成分がよく残るのに対し、
バッチ式は、シーグラム社が香味成分を
程よく残したいという意図を持って、
開発されたんだろうな、と思ったらまさにその通り。

日本では、ここ御殿場しかないそうで、
主にカナディアンウイスキー向けの
グレーン製造に用いられている方式とのこと。
そう、ブレンテッドスコッチのための
グレーン製造ではなく、カナディアン用の設備。

カナディアンは多くがグレーンで、
飲みやすいものの、味に厚みをつけにくく、
プレミア感の出るウイスキーを造るのに、
当時のシーグラム社は悩みがあったとか。

そこで開発されたのが、グレーンのライトさと
味の奥行き感を兼ね備えた原酒をつくることができる
この「バッチ式カラム」なんですね。

ちなみに、御殿場のモルトはフルーティでライト、
透明感のある香りと味わいですが、逆に
グレーンは少し香りの幅があるミディアムタイプが
相性がよく、製造のほとんどがこのバッチ式による
「ミディアムグレーン」というわけです。

ちなみに、売店で売っているシングルグレーン15年も、
このミディアムタイプのグレーンだそう。

■連続式蒸留機(4)ダブラー

さらにヘビーなグレーン・・・ということで、
フォアローゼス(バーボン)のような
バーボン製造設備も御殿場には配備してあります。

ダブラーと呼ばれる特殊なポットスチルで
精留するのですが、内部は連続式蒸留ができ、
最低限の雑味やフーゼル油を取るだけで、
香味豊かなグレーンが生み出せるとか・・・・

これ、ロバートブラウンのような、
バーボン、スコッチ、ジャパニーズの
三国ブレンドウイスキーの原酒の
バーボンの代替として、使われているそうで
数年に1回程度しか、稼動しないんだそうです。

このあとは、前回と同じく樽出し原酒を
本当に樽から出したそのまんまを頂きまーす☆

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