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江戸城講座「自然改造都市、江戸の痕跡・江戸歩きの楽しさ」

さて、また城関係に戻ってきました・・・
5月から6月にかけて、かなり城関係の講演や
シンポジウムに参加してきました。

もちろん、城人オフに触発されたということも
あるにはあるのですが、わたしにとって興味深い
ジャンルのお話が多かった、というのもありますね。

ということで、初回は、新宿歴史博物館にて
黒田涼さんの講演です。残念ながら写真はないので
文章だけでのご紹介になってしまいますが・・・

最初に出てきたのが、国土地理院作成
1/25000のデジタル標高地形図。
こちらの国土地理院のページからダウンロード可。

これを見ていくと、家康による江戸城「再」築城
以前の江戸の姿の痕跡がわかります。

(以下画像は、国土地理院ホームページ掲載の
 デジタル標高地形図画像データ東京都区部を使用)

5

水色部分が海抜0~1m、エメラルド色が1~3m、
緑色から黄色、赤になるに従い標高が高くなります。
江戸城本丸周辺をどんっ!と拡大すると・・・

1

ちょうど北の丸から本丸、そして西の丸西側、
桜田門くらいにかけて黄色くなっていて
太田道灌以来の江戸城はこのアタリまでで
その周りは海(日比谷入江)だった跡がわかります。

おもしろいのは、東京駅丸の内中央口すぐ前から
有楽町、内幸町、新橋、大手町にかけてが
ほぼ海抜0m。このあたりが、日比谷入江。

2

逆に八重洲・京橋・銀座あたりは、
若干標高が高く海抜3m以下。
当時はこのあたりが半島状に突き出してたそう。

よくわかるのは、銀座四丁目交差点に立って、
晴海通り沿いに眼を遣ると、坂になっているそう。
この地形の名残なんだとか・・・


大きな地図で見る

家康の江戸城大拡張に際し、城の目の前まで
船が着くのはまずく、また水深も浅いということで、
日比谷入江を埋め立てて、大名屋敷地とし、
半島の付け根に道三濠(日本橋川の一部)を開削、
そちらを海運の窓口としたようです。

1590年に江戸入府してすぐ、家康は
道三濠開削に着手、関が原合戦ごろには、
日比谷入江の干拓は終わっていたようです。

逆に、外濠の牛込見附(JR飯田橋)から
四谷見附(JR四ツ谷)を経て、
赤坂見附(東京メトロ赤坂見附)あたりは、
ザクっと台地がえぐれていて、かなり
深く削って、外濠にしてるのがわかります。

3

ちなみに四ツ谷から赤坂にかけて、
埋まっているのは、真田濠。
もちろん「真田」とは、真田信之のことで、
この辺りの普請を真田信之が中心にやっています。

二次大戦での戦災瓦礫を埋めるのに、
使われてしまってるのだけれど・・
なんとかならんもんですかね??

ブラタモリでもやってましたが、
戦前は、泳げるくらいキレイだったとかで。
いいなぁ・・・うらやましい。

さて、直接資料はないのですが、
そのほかにもこのデジタル地形図から
読み取れるおもしろい部分がたくさんあり、

美濃高洲藩松平家下屋敷跡(新宿区荒木町)
土塁の痕跡が分かったりだとか、
国立科学博物館附属自然教育園に
残る白金長者屋敷土塁跡など・・・

意外と土塁の痕跡ってあるものなんだねぇ・・・
あと、分かりやすいのが真田濠上の土塁。
影となってはっきり見えますよね。

Sanadabori

あと、吹上曲輪の土塁。ちょうど桜田門を経て
時計回りに半蔵門に向かう間の桜田濠上。
これも影が分かりやすいですな。

6

ざっと、江戸城築城に当たっての工事を並べると、

・日比谷入江干拓と馬場先濠・日比谷濠形成
・日本橋川(道三濠含む)の開削
・千鳥が淵の堰き止め
・桜田濠・神田川の開削
・溜池構築

とコレだけでもすごいんですが、
川の付け替え(荒川・利根川)、
下町の水路開削、江戸前(築地・佃島など)など
考えられる限りの大土木工事が続々・・

間違いなく、江戸は日本で、ひょっとすると
世界最大の埋立都市なのかもしれませんな。

おもしろいのが、江戸前を干拓している人々。
築地は本願寺門徒に埋め立てさせ、そこの寺院を
つくせているし、佃島や深川を干拓したのは
摂津国の人々だったりね・・・

下町っこのご先祖、実は大坂人だったりするわけ。
なんだか不思議な因縁・・上方ことばが
残ってたりするのかな?

いずれにしても、埋め立ててできた土地を
縦横無尽に濠や下町水路が走ってた水都だったわけで、
黒田さんがおっしゃるには、コレが今も残ってたら
東京の夏の暑さは、少しは緩和されたのでは、と。
そうですねぇ、そう思います。

最後に、東京各所に残る江戸の痕跡のご紹介。

■日比谷公園■

日比谷公園?えーっと、東京に来て、
10年以上経ちますが、一度も行ってません(汗)
ですが、石垣があるのだそうで・・・

ちょうど心字池という池のそばにある石垣が
日比谷見附の高麗門・枡形・渡櫓門の石垣。
って分かったら、ちょっと行く気もしてくるね(笑)

■外務省■

江戸城そのものではないのですが、外務省の石垣は
福岡藩上屋敷の石垣がそのまま使われているとか・・・
戦前は屋敷も残っていたようです。

■桜の井・柳の井■

桜田濠近くの井伊家上屋敷そばの井戸。
桜田濠を掘ったときに地下水が
湧き出てきたんじゃないか?とのこと。

■衆議院議長公邸■

こちらは、松江藩松平家上屋敷跡。
雲州屋敷と言われたこの屋敷は、東京女学校開校に
当たって皇室より貸し出されるも、
関東大震災によって焼失するが、石垣残存。

なるほどなるほど・・・いろいろあるもんですな。
とりあえず、日比谷公園にはいつか行かないとね・・・

ということで、非常に為になる講演でした。
黒田さん、ありがとうございました。

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