18きっぷでゆく・・・2012年 北陸城廻 (5) 高岡城~瑞龍寺
さて、翌朝。高岡で朝ごはん食べるなら、
ここだよねーと思っていたところ。
そう、新湊漁業協同組合女性部食堂。
ponさん(@haruipon)のツイートを見て決めまして。
ローカル電車の万葉線に乗って、
東新湊駅までがたんごとん。
噺家の立川志の輔師匠のご実家が近いそうで、
土日はローカル電車の車内案内を
志の輔師匠の声でされるんですよー。
がっ・・・なんと日曜休み・・し、しまった・・
本当なら、こういう朝ごはんを頂くはずだったのに。
とぼとぼ・・射水市のマンホールでも
撮っておくかえ・・
で、気分を切り替えて高岡城。
こちらは前田利長の隠居城として造営。
濠がよく残っていて、城址の雰囲気は充分。
かなり早い時期に廃城にはなったものの、
江戸時代通じて「古御城」とされて、
城址は維持されたよう。
実は、中世の居館跡などをベースに
つくられたのではなく、まっさらなところから
新たに作られた城なんですよね。
当時の想像図。平城で濠で防御する城。
それなりに堅固なつくりのように見えますね。
濠が一重の部分は、その先が当時は
広大な沼沢地だったそうで、自然のつくりも見て
築城されていることがわかります。
梅・・・でしょうかね。桜と違い、
香りが強いので、あたりまでいい香りが
ほんのーり、漂ってました。
石垣はほとんど残っておらず、わずかに
本丸と二の丸をつなぐ土橋の石垣の残すのみ。
打込接の石垣がなかなかよく残っておりますな。
少し離れて。このような石垣が整然と並んでいた
その姿を想像すると、立派な城だったのだろうなぁ。
1875年頃、和田川の護岸工事のために
多数の石垣が高岡城址から運び出されたそうで・・
一旦運び出されたものの、使われなかった
石垣の石が博物館前にありました。
ちょうど、雨が上がってすぐ・・くらいで、
雨水が丸くなって木々について、
水滴の花を咲かせておりました。
雨だとテンション下がり気味ですが、
こういうのが見れると、ちょっとよかったな、
と思えたりするものですよねぇ。
利長さん。戦国好きにはちょっと印象が
薄い感じもいたしますが、名君として名高い
加賀藩初代藩主。
博物館には、城のネタは少なかったのですが、
高岡といえば、銅器の名産地。
ということで、けっこう有名なあんな銅像や
こんな銅像が高岡でつくられていたんですね、と知り。
たとえば、亀有の両津勘吉像や
川中島・八幡原の信玄・謙信像。
城から少し離れたとある交差点には
高岡大兜という兜の像。利長の兜みたいですよ。
さて・・・続いては、利長菩提寺の瑞龍寺。
こちらもponさんと少し前に高岡を訪れておられた
TOMさん(@tom050417)の記事を見て訪問しようと。
なかなか立派な総門がお出迎え。
もちろん、前田家の梅鉢紋付。
昔の鬼瓦(法堂)も別で展示されていました。
山門。1820年に再建され国宝指定。
一部失われているようで、欠損した部分を
想像で補わせてくれるような粋なものもあったり。
うーーんっ!
はぁーっ!
ということで、阿吽の呼吸の金剛力士像(笑)
どこか厳粛な空気を感じる回廊。
禅宗寺院としては現存する最古の回廊だとか。
そして、これが国宝の仏殿。金沢城の諸櫓と同じく、
鉛瓦を葺いた非常に貴重な仏殿。1659年竣工。
高岡城が廃された後、この瑞龍寺が
非常の軍事拠点になることも想定されていたようで、
この鉛を溶かして鉄砲玉にする・・なんて説も。
大茶堂と鐘楼辺りを見るにつけ、
どこか城郭っぽさを感じなくもない・・・
立派な釘隠しにはついつい眼が行く。
二条城の釘隠しの紋を葵から梅鉢に変えたような。
釈迦・文殊・普賢の三尊が安置されている内部。
金色で飾られたものではなく、
木目と彫刻の美しさが眼をひく空間。
ちょうど、木目も拝礼する人を見据えるかのように
真ん中に配されているのだそうです。
彫刻もまたこれ、見事だわ・・・
天蓋も当時の作品だそうで、非常に独特。
蓮の繊維と絹をもって織られたとか。
釈迦如来の真後ろには、大権修理菩薩という
海上の安全を守る菩薩。なんかやたらと
コミカルに見えるのは、わたしだけ・・・!?
こちらも国宝の法堂。以前はさっきの鬼瓦が
付いてたのでしょうかねぇ。
よく見ると・・鳥居があるようにも
見えませんか・・これ、こう見えるように
つくられているんだとか。
そして、釘隠しがやっぱり二条城との共通点。
しかも漆と金箔の使い分けがされていて、
さまざまなバリエーションがあるのですよ・・・
金箔ナシ、漆ナシ。
金箔アリ、漆アリ。
これが一番、美しく見えますな。
そして、まさかの先っぽだけ金箔(笑)
襖引手も黒漆×金箔のゴージャス仕様。
一方、襖のデザインが控えめで引手が目立ってます。
明かりもちょっと独特だなぁ。
見ようによっては、どこかモダンな感じも。
杮板志納のお願いをやっていたので、
1枚納めてまいりましたよ。
そして、お土産も・・・「一つやいと」。
瑞龍寺で6月7月にある「一つやいと」という
やいと(お灸)のお祭りのこと。
やいと・・って、関東の人はわからんかな?
関西では通じると思うんですけどね・・・
中身は、もち米を使った軽いお菓子。
黒糖でほのかな甘さをつけた最中の皮みたいな。
仏殿の絵がちょっとかわいらしい。
これもウイスキーのおつまみに・・(汗)
回廊から見える外の日差しが門扉の意匠が
うまく効いてきれいに見えますねぇ。
お、これも二条城っぽい?
最後、奥にある前田利家・利長、
織田信長・信忠の「分骨」廟にお参り。
なんで信長父子が・・と思ったのだけど、
利長夫人が信長の娘だそうで、その縁もあって、
本能寺の変後、信公父子の分骨を迎えて
その霊を慰めた・・・とある。
あるのだけど・・信長の遺骨って見つかってないよね?
信忠はどうだったか知らないけど・・
というのと、一番前田利長の石廟が細かく
つくられているのにちょっと苦笑。
さて・・・高岡を離れて富山へ。
瑞龍寺の近くにこんなノボリがあって、
思わず焼肉食べようかと思っちゃったけど、
食べたいものが富山にあるので、ガマンガマン。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 履歴書の書き方 | 2012.05.02 17:12
nikko81です。
●履歴書の書き方さん
アクセス、ありがとうございました。
ぜひ、ごひいきに。
投稿: nikko81 | 2012.05.04 10:40