« 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その3 ウイスキーうんちく教室 (2) | トップページ | 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その5 三代目大阪城80周年展。 »

将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その4 ウイスキーうんちく教室 (3)

さて・・キリンならではのウイスキーづくり。
文章ばっかりで申し訳ない・・・

【モルトづくり】

まずはモルト。発酵のお話からなんですが、
約3日間の発酵でモルトは約8%、
グレーンは約10%のもろみをつくり出します。

添加する酵母自体も、後にフルーティさを出すために
酵母の段階から厳選。ある意味、コンセプトが明確で、
ブレないものづくりといえるかもしれませんよね。

見学してきたポットスチルは、さっきにもあったように
ラインアームは上向き、加熱は直火ではなく、
スチームによる間接加熱。粗留釜にはバルジはないものの、
精留釜には小さなバルジが付いていて、
やっぱり、ここでもクリーン&エステリー。

この形状は、シーバスブラザーズの影響を受けている
関係もあって、シーバスリーガルのキーモルトを
つくっているストラスアイラ蒸留所のタイプ・・ですって。

最初に大まかにアルコールと香味成分を回収するため、
粗留釜はランタン型。そして、より適切な香味成分のみを
しっかり回収するために、精留釜はバルジ型。

普通、初留釜・再留釜という言い方をすると思うけど、
粗留釜・精留釜という言い方をするところにも、
つくり方への思想が現れているような気がしますね。

キリンの特徴として「ハーツオブハート」という
蒸留方法が挙げられますが、これもクリーン&エステリーを
実現するためのひとつの方法。

蒸留する際に沸点の低いものから、
徐々に気化しはじめるため、蒸留している間に
回収できる香味成分が異なるわけで、雑味のある
ヘッドとテールは避け、中心部のハーツを
回収するのが、セオリーなワケです。

が、キリンでは一般的に全体の65%ほどある
ハーツの部分を更に絞込み約45%にして、
より華やかな部分のみを厳選しているということ。

これが、ハーツの中でも更に中心部分を、
ということで、「ハーツオブハート」なんですね。
もちろん、ヘッドとテールは捨てずに
次回の粗留液に混ぜて再蒸留。どことも同じですな。

樽詰め・・もちょっと他とは違う。
樽詰めする前はだいたい70度くらいの度数なわけで、
これを65度弱まで割り水して詰めるのが一般的。
モルトは、50度まで落として詰めるんですよね・・・

【グレーンづくり】

で、グレーン。個人的にグレーンの話が
興味深いなと思ったんですよね。なぜか?

それは、グレーンを複数の蒸留器で造りわけていて、
主張を出すグレーン、割り材としてのグレーンなど、
個性を出せるように幅広いグレーンを持ってる、ってこと。

グレーンの材料なんですが、スコットランドでは
小麦を使っているケースが多く、
日本やアメリカではとうもろこしが主流。

キリンもとうもろこしを使いますが、
少しライ麦を使うとボディ感が出るそうで、
ライ麦も使うんだそうですよ。

たとえば、ケトルというやかんのような
(ある種ポットスチル的な)蒸留器と塔になっている
ビアカラムの組み合わせで、グレーンをつくったり。

樽場のグレーン20年も、このミディアムタイプで
つくったもので、ケトル自体は連続蒸留ではなく、
蒸留するたびに一度取り出して・・
というモルトに近い製法。

モルトを連続式蒸留にかけるのが、ニッカのカフェモルトなら、
キリンのグレーンは逆にグレーンを(ほぼ)単式蒸留に
かけてみました、ということなんだろうなぁ。ふむふむ。

その他、バーボンに近いヘビータイプってのも
あるそうで、見学したビアカラムのみのライトタイプが
いわゆる普通のグレーン、そしてミディアムタイプ、
ヘビータイプと3種類のグレーンをつくりわけ。

ここまでグレーンをつくり分けているのは・・・
たぶんキリンだけなんでしょうね。
が、田中さんのお話ではサントリーもいろんな
グレーンをつくり始めたらしい?ということでした。
# でも、サングレインは見学不可・・・orz

それだけグレーンに、強いこだわりお持ちなわけで、
ここだけ(グレーンの解説スライド)は写真NG、
というのも、さもありなん・・・という感じでした。

【樽熟成】

キリンは基本的にバレル(180ℓ)の樽で熟成。
しかも、モルトは50度で樽詰め・・なぜか?
(グレーンは62度程度で樽詰め)

あまりに高いと爆発してしまうということもあって、
63度くらいにまで割り水をするようですが、
キリンの実験を重ねた結果、キリンが求めるモルトの
熟成に適した度数なんだそうです。50度。

入れる度数でアルコールの熟成が変わるそう。
バーボンをやってられたときの話ですが、
低すぎると40%前後で誤って樽詰めしたとき、
3年、5年と経ってもなかなか色が付かなかったとか。
要は、熟成が進まないんですね。ほぅ。
まだまだ、熟成ってブラックボックスだからね。

ただ、熟成年が長いと美味しいとは限らないよって話。
それはそうだと思うんですよ。枯れる・・というか、
ちょっとピーク過ぎたよねというモルトに
出会うこともありますからねぇ。

ただ、「木の汁」という言い方には引っかかったなぁ。
長熟モノに対して(人それぞれとは仰ってましたが)
あまりいい見方をされていないのは、クリーン&エステリーを
目指しているからかな?とも感じた面もあり。

長熟の美味しさはコクだったり、濃密さが
中心なワケで、華やかさや爽やかさは、
ある一定の熟成年数を過ぎてしまうと、
香味の表舞台から消えていきますからね・・・

【試飲】

さて、試飲ですが、ニューポット、
ニューメイクに加え、6年ほど熟成させた
モルトとグレーン。

ちょっと、えー・・だったのが、すでに
1:1に加水してあったんですよねぇ。
加水するにしても自分で加水したかった・・・

ニューポットは正直、今まで飲んだ中で、
一番きつかったような気が。
度数じゃなく、味わい的に。
むしろ、グレーンのほうが美味しい。

最後には、五大ウイスキーの特徴を知ろう、
ということでいろいろ。スコッチ、アイリッシュ、
バーボン、そしてジャパニーズはよく飲むけど、
カナディアンって、あまり飲まないなーと。

個人的には、バーボンを穏やかにしたような
カナディアンも悪くないなーと。
1本くらいは、常備してもいいかと思いました。
・・・クラウンローヤル買いにいこ。

でも、もう少し御殿場の原酒の熟成の違いが
わかる試飲にして欲しかったなぁ・・・
てことで、解説は非常に楽しく、
また見学できた施設や樽出しモルト/グレーンは
美味しかったのだけど、試飲はいまひとつ。

さって、ここで質問タイム!
いくつかの質問とその答えをご紹介していきましょ。

Q.
バーボン樽、新樽、古樽以外の樽(ワイン樽等)は
使おうとする予定はある?また、シェリー樽を使わないのは
コンセプトに合わないから?

A.
使用する樽の種類は、広げてみたいとは思っている。
が、需要が伸びてきているので、新しい取り組みに
向かいやすい環境ではある。

が、今までは、クリーン&エステリーということで
原料のよさや製造過程でできるものを大事にしてきた。

シェリー樽はある意味、ウイスキーの特徴のある部分を
隠してしまうという側面もあり、良くも悪くも、
シェリー樽としての主張が強すぎると考えている。

Q.
クリーン&エステリーのコンセプトに
至った由来は?

A.
シーグラム社のコンセプト・・というか、
突き詰めて向き合ってみたときに出てきた、
シーグラムの目指していた美味しく
キレイな味わいで飲み続けられる酒の理想。
それを受け継いで、御殿場でも酒づくりをしている。

あとで、軽井沢の話もしたのですが、
やはり現場(というかウイスキーづくりに携わる者として)
閉鎖の話は、残念だとはいうことでしたが、
なかなか自分たちではどうしようもないという無力感を
含んだお答えであったのが印象的でした。

で・・・お土産は、カスク10年とシングルグレーン15年。
カスクは今だけみたいだし、シングルグレーンは
ホント美味しいのであるときに買っておきたい!

P1060469

P1060471

もちろん、試飲も。当然シングルグレーンは絶対!
あと、もう自宅のは飲み干しちゃったけど、
富士山麓18年。これも好きなウイスキー。高いけど。

なぜか、地元産の醤油があって一瞬惹かれたけど、
醤油ばっかり買ってどうすんの!という声が聞こえ(笑)
あきらめました(笑)

帰りは、最近よくしてもらっている
フォロワーさんご夫婦と一緒に御殿場まで。
さすがに荷物があるので、バスで帰りましたよ!

で、そのまま高速バスに乗り換え、
関西に向けてGo!

blogramに参加してます。
ボタンを押してもらえるとうれしいですぅ。
blogram投票ボタン

|

« 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その3 ウイスキーうんちく教室 (2) | トップページ | 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その5 三代目大阪城80周年展。 »

「イベントレポート」カテゴリの記事

「グルメ」カテゴリの記事

「旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

なるほどー 50度で樽詰めとは珍しいですね。
 グレーン 興味ありますねぇ。 行ってみたいっ

投稿: ウイスキーねこ | 2011.12.24 20:31

オラが行ったときには、シングルグレーンがありませんでした。(/_;)

投稿: アルチューハイマー症、呑んだくれ | 2011.12.24 21:55

nikko81です。

●ウイスキーねこさん

キリンはキリンで、実験を重ねた結果、
50度が一番いいという結論なんだそうですね。

サントリーは60度、ニッカは63度。
この違いはどう出るんですかねぇ・・・

●呑んだくれさん

一時期なかったような気がしていて、
すわ、終売か!と焦ったんですが、一応継続生産。
呑んだくれさんも、次回行くときはありますように。

投稿: nikko81 | 2011.12.25 17:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16856/53556949

この記事へのトラックバック一覧です: 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その4 ウイスキーうんちく教室 (3):

« 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その3 ウイスキーうんちく教室 (2) | トップページ | 将軍上洛の巻、その前に御殿場に寄り道・・・その5 三代目大阪城80周年展。 »