威士忌を求めて・・・台湾 その9。
ちょっと開いてしまいましたが・・・
がっくりな宜蘭訪問の翌日。他にも行きたいところは
あったんだけど、蒸留所を外すわけにはいかぬ!
ということで、またもや宜蘭に向けて出発。
今回は電車じゃなくて、台北車站に近い、
台北轉運站(長距離バスステーション)からバスにて。
日本語はもちろん、英語もさっぱりですが、
まぁ、なんとなくチケットは買えます・・・し、
バスのほうがかなりオトク。NTD150くらいだったかと。
ただ、途中駅で降りるのはいろいろと
ハードルが高いかなぁということで、
宜蘭が終点の便を選びました。
宜蘭轉運站は、宜蘭火車站から少し離れていますが、
タクシーもいっぱい止まっているので、
ここから、金車宜蘭蒸留所に向けて出発。
着きましたぁ。今回は入れまっせ~
金車という総合飲料メーカの工場で
ウイスキーだけでなく、コーヒーその他もつくってる模様。
洋風な、それでいてどこか南国・・・
というか開放的な感じが建物からも感じられます。
同じく洋風な余市とは、真逆の印象。
入ってすぐの正面には、ドーンとロゴ。
なんだか空間の使い方が、ものっすごい贅沢。
案内・・・とりあえず、これだけを守衛さんトコで
くださった。まぁ、なんとなく理解(笑)して
指定された「旅客服務中心」に向かいます。
けっこう・・こんな緑の多いところを歩き。
1kmは優にあるんじゃないかなぁ。
出た!これぞ南国!っていう感じの風景。
スコットランドはもとより、日本でもゼッタイないよねぇ。
こちらがその旅客服務中心。
できたのが新しいのもあるけど、ちょー立派。
金車って、儲かってんのかな。
お、ちょうどいい感じ。11時の回に
案内してもらえそう~♪
そもそも、ココはコンベンションセンターなのね。
てか拼音表記、台湾だと
かなり表記揺れがあるよね・・・と妙に気になる。
で、一応英語で見学をしたい旨を伝えたのだけど、
日本人だと分かったせいか、日本語の分かる方をつけてくださり。
はぁ・・・よかったとこの時は思ったのだけど。
まず最初にビデオ鑑賞。ホントに総合飲料メーカ、
という感じの金車。いろいろビデオを見せてくれるのですが、
正直、ウイスキーのところ以外は・・・(苦笑)
てことで、ウイスキー製造の解説。
ウイスキー製造工程の見学ができるのは、
もう少し先。かなり離れているので、
構内を自転車に乗って向かいます。じ、自転車!(笑)
どどーんと広い!なんか原っぱの中に、
蒸留所とビジターセンターがあるみたい・・・すげぇ。
見学できるのは「威士忌蒸留餾一廠」。
ウイスキー工場第1プラントって感じですね。
ここで、はっ・・としたのが、
今でも旧字(繁体字)を使う台湾で、
蒸留(蒸溜)のことを「蒸餾」と表記していること・・・
そう、以前NIKKA BLENDER'S BARで、
久光さんのセミナーをお聴きした際、
竹鶴政孝自筆の書に「麦餾」と書かれてあったのを
この時思い出したのです・・・
もちろん、麦は大麦、餾は蒸餾、
即ちウイスキーの意、とあるように、
正しい表記は「蒸餾」なんだな・・・と。
多くの蒸溜所が「蒸溜」と表記している一方、
パソコンの変換では「蒸留」と出ますね。
稀→希、発酵→醗酵・・というような、
日本独自の簡略表記(新字)の一環なんですが、
個人的に蒸留だけ「蒸溜」と書くのは、
違和感があって。でも「蒸餾」ってのはいいなぁ。
・・・超脱線。失礼しました(笑)
てことで、閑話休題。
こんな感じで樽が並んでいてお出迎え。
いろいろ説明してもらおうと思うのですが、
実は日本語もそう話せるわけではなく、
で、英語は全然・・ということで、あっちゃぁと。
せめて、英語ができる方のほうが、まだよかったなぁ。
むー・・・彼女も必死に説明はしてくれるのだけどねぇ。
てことで、漢字文化圏同士の筆談タイム(笑)
チャーの説明。KAVALANでは、
かなりしっかりチャーをするみたいね。
チャーした樽材のサンプル。触れたらいいのだけど、
それはムリでした。むー、けっこうチャーしてるね。
樽の説明。ウイスキー的な観点・・というより、
中国語だとこう書くんだ、というほうが興味あったり(笑)
波本桶、猪頭桶、糖蜜舊酒桶、雪莉桶。
知ってしまえばなんてことないけど、
表意と表音が混じってるので、若干日本人には
分かりにくい側面もありますな。
パンチョン、サントリーで使われて・・みたいな
モロに社名出していておもしろい(爆)
天使のわけまえ、Angel's Share。
ちゅ、中国語で書くと・・・天使税!
なんだかイヤな感じだなぁ、徴税されるように、
ウイスキーもってかれるみたいで(笑)
マッシュタンとウォッシュバック。
日本の多くの蒸留所見学と同様、
ガラス越しの見学だけど、意外に小さい印象。
ポットスチルは、ランタン型。初留・再留が各2基。
ヘッドも下がっている・・割には、飲んだときに
あまりそういう印象受けないんだよねぇ。
ちなみにモノは、スコットランド製。
こちらもサントリーやニッカのようなポットスチルを
見慣れていると、割と小さめな感じ。
この時は蒸留していなくて、春から夏に
かけて蒸留ということだから・・
このポットスチルで春から夏だけってことは、
他のプラントも稼動しているのかもしれないけど、
意外と生産量が少なそうに感じます。
が、先ほどのビデオによれば、
年産300万本生産可能が設備らしいですね。
あ、このプラントだけ・・ではないのかな。
ちなみに、ヘッド(酒頭)、ハーツ(酒心)、
テール(酒尾)はそれぞれ、35%・10%・55%。
ハーツがすごい少ない・・
キリンのハートオブハーツの考え方に近いのかな、
と思いますね。
その割りに、ランタン型で下がりヘッド。
むぅ、どういうことなのか?
・・・てことは、わたしの語学力がないため、
訊けませんでした(泣)
奥にあるのが・・どうみても連続式蒸留器。
ドイツ製らしい。グレーンをつくってるのか???
でも、KAVALANってシングルモルトのはずだしなぁ。
うーんと思っていると、どうやらバーボンを造るための設備
ビアスティルとダブラー・・・のようです。
けっこうこういうのが、何セットも。
最終的にはブレンテッドを目指してるんですかね・・・
それとも???こちらも訊きたいけど、
あまり通じませんでした。英語さえ通じれば・・がくっ。
ただ、いろいろこちらの蒸留機についても、
こう使うんだというのを言ってくれていたので、
KAVALANは、バーボンチックにつくられたモルトも
含まれているのかも・・・しれませんね。
こちらは、年産900万本が可能なようです。
それと驚いたのが、なんと樽が縦置き!
省スペースという意味もあるのでしょうが、
横置きと縦置きとで、熟成は変わらないのでしょうか・・・
ちなみに、気温が極めて高い台湾ですから、
貯蔵庫内は完全温度管理。常に24℃~26℃になるように
保っているようです。
ただ、それでも一般的な日本やスコットランドの蒸留所と
比べてみれば温度が高いわけで、熟成は早く進みますが、
天使に呉れてやるわけまえも、かなりになりそう(笑)
それにゆっくり熟成させないと・・ということで、
「おいしいウイスキーは北、で生まれる」という、
ニッカのキャッチコピーに真っ向から挑んでいます(笑)
でも、ホテルの水もKAVALANだったように、
この宜蘭あたりは、台湾の名水の地であることは、
間違いないようですね。
今後、10年以上の熟成したものがどう化けるか、
楽しみではありますよね。
さて、見学はココまで。試飲とお買い物ということで、
ビジターセンターのほうに向かいます!
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