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あこがれのヴェネツィアン・グラス ~ 時を超え、海を越えて

さて、サントリー美術館。

美術館はよく行くほうですが、
サントリー美術館はそのなかでも訪問数が
群を抜いています。自分好みな展示が多くって。

P1030158

こうして改めて、ヴェネツィアングラスを
時系列で追っていくとその歴史的変遷が分かりやすいし、
ちゃんと理解できてなかったんだ、と気づく。

こういう経験を日本にいながらできるのは、
ホント、ありがたいことだよね。

15世紀~16世紀頃のヴェネツィアングラスが
興隆する頃の作品は、ダイヤやガーネットを使って、
ガラスの表面を引っかいて文様をつける、
ダイヤモンドポイント彫りがイイ。

17世紀に入った作品、ドラゴンステム・ゴブレット。
1本のガラス棒を捻ってつくられてるんだって!
ポストカードより。

P1040430

なんと言っても、今回すごいと思ったのは、
レースグラス。レース発祥のヴェネツィアにおいて、
なんとかガラスでもこのレースの美しさを
表現したい・・ということで生まれた技法。

冒頭の写真にあるのがそのレースグラス・ゴブレット。
透明ガラス(クリスタッロ)と乳白色をしていて、
磁器を模したラッティモを組み合わせ・・
美しすぎて、しばし見とれます・・・

その他、脚付鉢や皿などいろいろあり、
特に、レースグラスの皿の美しさが格別ですねぇ。

特にお皿はレース柄の間すべてに1つずつ気泡が
入ってるんですよ・・なんという技!

アイスグラスというのは、ガラスを熱いうちに
水に漬けてわざと亀裂を出す技法。
これもまた、味があってよろしい。

ヴェネツィア・ムラーノ島の閉じた世界で
つくられてきた技法が徐々に周辺に
伝播していく時代へ。

展示されていたネーデルラント、今のオランダ・ベルギー
ルクセンブルクに相当する地域やイギリスでの作品が展示。
かなりの完成度で模倣されるとともに、
新しい技術も生まれていたりして、興味深い。

レースグラスには透明と白だけじゃなく、
赤や青を織り交ぜていて、華やかさがアップしてるし、
ダイヤモンドポイント彫りのフルートグラスには、
オラニエ大公の紋章入り。

イギリスの作品では、オペークツイストゴブレット、
という高脚酒器が見もの。脚(ステム)の部分に
ヴェネツィアのレースグラスの技法を応用。

P1040422

スピリッツ系の酒用だとか・・で、
ウイスキーのもとになったウシュクベーハや
ウスケボーもこれで飲まれたりしたのだろうか??

けっこうウイスキーのティスティンググラスって、
実用性(香りの立ち方)重視だけど、
カタチは実用的でも、こうした装飾の施した
ティスティンググラスをつくってほしいよね。
・・大丈夫、サントリーさんならやってくれるはず(爆)

続いては、南蛮貿易で日本に流入した
ヴェネツィアングラスとそれを模倣した和ガラス。

ヴェネツィアン・レースグラスの破片が
北条氏照の八王子城から出土しているのが驚き。
・・・北条家にもこういうのが伝わっていたとは。
イメージないなぁ(笑)

逆に仙台城から出土しているのは、さもありなんと。
政宗は外国に目が向いてる大名だし、
ヨーロッパの美的センスを取り入れるだけの感覚を
持ち合わせていたと思うしねぇ。

で、さきほどのオペークツイストゴブレット、
日本でも18世紀に模倣された作品が。
完成度はまだまだだけど、苦労がしのばれるねぇ。

そして、ぎやまん彫り。「ぎやまん」とは、
ダイヤモンドのことで、ダイヤモンドポイント彫りを
ぎやまん彫りといったそうです。

ぎやまん彫りで彫られた城ゴブレット。
ほ、ほしい・・・

P1040435

ガラス作品に思い思いの柄をデザインしてくれる
ところってあるからねぇ・・
ティスティンググラスに天守を・・
そうだな、サンドブラストで描いたようなモノ。

どこかに頼んでつくっちゃいますしょうかね・・・
できれば、持込で気に入ったカタチの
ティスティンググラスにデザインだけ、
できれば一番イイのだけど。

次は、ヴェネツィアの復興期。
諸外国に流出して相対的に地位が低下した
ヴェネツィアが復活していく時期。

逆に、ネーデルラントやドイツでつくられていた
フルートグラスを手本にヴェネツィアらしい
レースの装飾を施したグラスや、
レースデザインのティーカップ&ソーサーなど。

技術を今度は吸収して、新しいベネツィアングラスが
展開・発展していく時期なんだなぁ。

そして現代。技術が発達しているせいか、
レースデザインも精緻を極め、
より鮮やかで細やか。使われている技術は
伝統的なものでも、どこか現代的なセンスで
つくられていて、モダンな感じ。

後のほうには、ヴェネツィアに渡って、
あるいはヴェネツィアの技法に触発された
日本人作家の作品群。

特に惹かれたのは、江波冨士子さんの「雨のち虹」。
ビーズのようなデザインのムッリーネ技法で
文様がつけられ、多くのグラスをつかって、
雨から虹へと色が変わる様を表現。

こちらのサイトで少し紹介がありますが、
(サイトの左下隅)
実に日本人らしくでも、技法はヴェネツィア・・・
というちょっと不思議な世界でした。

もうひと方、植木寛子さん。つ、ついに・・・
こういう場で年下の方が出現してしまいました(笑)

元々、油絵をお描きになる方だそうですが、
自分の油絵をガラスで表現したいとの想いから、
ルーマニアへ、そしてヴェネツィアへ。

ヴェネツィアに渡られたのが2001年。
ムラーノの工房では、こんな形作れるものかと
門前払いの連続をものともせず、2004年に
とあるマエストロと出会い、共同制作が始まる・・

華やかさと躍動感に溢れた作品群に
しばし見とれます。図録に「ヴェネツィアで活動する
日本人グラスアーティストのうち、
最も若手で、最もエネルギッシュ」というのが
作品にもすごく感じられますね・・・

ちょうど今、伊勢丹新宿店でヴェネツィアガラス展
やってるみたいでそちらにも作品が出てるみたい。
・・・明日、ちょっと覗いてみよう♪

じ、実はですね。musiam shopで彼女の作品があって、
なかなか引かれたのですが\12,600・・・
悩んで悩んで悩んだ結果・・・ちょっとこのたびは・・・
むー、こう書いてると、買えばよかったなという気も。

ということで、大満足のヴェネツィアン・グラス展。
自分自身のガラス好きを改めて感じたひと時でした。

もちろん、図録を買って、shop × cafeで
響を頂きながら(!)一服。

さっき呑んでたやろ!というツッコミは
一切シャットアウトいたします(笑)

帰り。せっかく六本木なので、
エルモアさんとこに寄ってこーと思って、
訪ねてみたんですが・・わけあって、
まだ開いていなくて・・・

で、近くの六本木餃子本舗へ。
こちらも、エルモアさんの記事で知ったお店。

P1030168

6個なら500円ちょっと、12個でも980円。
なかなか手軽なお値段。
餃子の上に肉が巻かれているのも、
珍しいし、ウレシイ☆

P1030170

うん、美味しい!
餃子好きとしても、合格点ですな。
す、すげぇというほどのオドロキはないですが、
肉好きには手堅く満足できる一品。

お値段重視なら、普通の餃子定食。
ダブル(12個)でも580円。餃子の王将より安いです。

眼にも、鼻にも、お腹にも、大満足な一日。

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