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特別講演・寛永度天守の魅力と実像 Part II その3。

さて、度肝を抜く大きさへのコダワリ・・・
まだまだ続きますよ。

■限界への挑戦。

これ、三浦先生が今回初公開なんですがね。

江戸城って、左右対称をひとつの美意識として、
持っていたようで、これを維持しながら、
最大の天守を建てるには、この18間×16間が
物理的に最大だったようなんですよね。

天守は、入り口だけは必ず芯を外してつくるのが
鉄則ということで、ここだけは外れているのですが、
それ以外は、完璧に左右対称になっています。

で、窓の設置が柱と柱の間につくる様式になっていて、
この方法でいくと、18間×16間のように、
偶数間数になっていないと、窓が左右対称に
設置できないそうで、左右対称にしながら、
更に大きくするには、20間×18間ってことになりますね。

しっかーし。これだけで見た目はそう大きくなったように
見えないのに、体積が2倍になってしまったり、
一階あたりの高さが高くなりすぎて柱がもたない、
など、いろいろと不都合が出てくるんだそう。

ということで、天守への美意識を維持しつつ、
大きさの限界に挑戦した・・・
それが江戸城天守だったんですな。

■来る者を圧倒するための「大きさ」。

もうね、大きさに関することは、
どれをとっても超巨大なんですよね・・・

天守の最上階屋根の鯱は、木造で金の板を
貼り付けてあったらしいですが、その金の重さだけで
400kgもあったんだとか・・・

18間×16間の1Fフロア。これを坪数に換算すると、
なんと392坪。江戸間が784畳敷き詰められる大きさ。
ということは、東京で一般的な6畳間が130室・・・
これってもう、大きなホテルって感じですよね・・

でも、天守階数って内部五階・外観五重なんですよ。
あんなに大きな天守なら、七重でも九重でもできるんじゃない?
って、思いませんか?内部階数も安土や大坂、姫路は
五層六階建てだったらしいし・・

その理由。五階建てなのは、各階の高さを高くとるため。
五層なのは、見た目の美しさ重視。

特に五階建ての理由については、なるほどなー
とものすごくナットクしたわけですよ。

徳川将軍の威光を存分に見せ付けるためには、
ちまちま階数を稼いじゃダメで、どーんと高さをとって
空間的に圧倒しないとダメなんですって。

他の城と同じくらいの感覚だと、九重天守くらいに
なるみたいなんですね。そこを、どどんと圧倒的にかつ、
美しく見せるための設計、それが五階五重天守。

天守の高さは、石垣部分が14m(現存は12m)、
天守部分が45m。これを合わせると59m。

現代の建物なら、19階建てのマンションくらい。
これが木造で建ってて、更に5階にしか
区切られてないわけだからね。

■銅瓦葺き屋根の実用性。

江戸城寛永度天守は、屋根がすべて銅瓦でした。
あの緑っぽい色は、銅瓦の証。

江戸城以降では、幕末の弘前城再建天守が
それに総銅瓦だそうですが・・・・

わたしね、どうもあの緑の屋根って如何なものかな、
と思うんですよね。デザイン的に。
絶対、黒い焼き物の黒い瓦のほうがイイ。

・・・のですが当時の感覚としては、
銅という貨幣にもなるようなもので屋根を作る・・
さすが上さまだ、ということだったようです。

さらに、当時は気づかれてはいなかったようですが、
屋根を銅葺きにすることで、
屋根がものすごく軽くなってるらしく。

江戸城の屋根瓦は、木の瓦に薄い(1mm)くらいの
銅板を貼り付けてあったとかで、ものすごい軽いそうです。
これにより、建物に掛かる屋根の重みが1/30。

特に、あれだけの大天守になると、
屋根が軽くないともちませんね・・結果論とはいえ、
この巨大天守には、銅瓦が適していたのかも。
# あ、家康の鉛瓦天守もやはり同じなんだろうなー。

軽くなるということは、地震にもそれだけ強い・・
関東大震災クラスの地震にもビクともしない・・
と三浦先生はおっしゃってましたが。

大正時代の関東大震災のときはM7.9。
そして、阪神淡路大震災は、M7.3。

しかし・・・先日の東北地方太平洋沖地震は、
かつて例を見ないM9.0。正直、このクラスの地震に
木造天守が耐えられるのか・・には不安があるなぁ。

ま、専門家ではないので、ハッキリしたことは
わからないけどね。

さて・・・次は天守壁面のヒミツへ。

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