blogの役割。
AMNの徳力社長のblogを読んでて思ったこと。
TwitterのほうでもRTしておきましたが。
ここで徳力さんがおっしゃってることって、
すごく分かるなーという気がしているんですよね。
何をいまさら・・・な感はありありだとは思うけれども、
始めて2週間くらいで感じたTwitterの妙、
それは
(1)コンテンツそのものとその流れを分離できる
(2)あらゆるコンテンツの流れをコンテンツの内容ではなく
自分が関心のある人単位で束ねられる(=タイムライン)
(3)コンテンツの流し方・受け渡し方に
コミュニケーションの要素を入れた
ということだろうな、と思うんです。
そして、これらが同時に作用することで、
blogが本来得意とする、コンテンツ生成(のひとつ)
というポジションに収まっていくんだろうな、という感じ。
■大事なこと・・まず、書くこと。
もともと、blogとしての(あくまでもアマチュアレベルの)
コンテンツづくりのほうが自分には大切なんですよ。
常々、書きたい衝動と表現している感覚。
徳力さんが指摘している「ブログの書き方」で言うと、
自分のために書くというのと、それが不特定多数も意識しながら
書くというスタイルで、コミュニケーションとしては、
自分の中でのプライオリティは、正直低いんですよね。
もちろん、コメントをいただくのはうれしいし、
コメントをいただいたら、ほぼ必ずちゃんと返事するし。
だけど、そのやり取りがあれば、記事書かなくていいか、
というとそうじゃない。やっぱり、まとめて言いたいことや
経験したことをまとまった状態にして、書き留めたい。
(2)や(3)といった、コンテンツをより拡散させる方法、
としては、アリなんだろうなとは思ってました。
具体的には、更新したよという情報を
流すってことですよね。RSSリーダーを相手が使わなくても、
フォローしてもらえれば、すぐに届けられるわけで。
■Twitterを控えていた理由
ただ、昨年1年間、Twitterを様子見にしていたのは、
「○○なう」的なツイートしすぎたりだとか、
TLに依存しちゃうような危うさが自分にはあったから。
ネットとの距離が近くて、息が詰まりそう、
と昨年初頭に表現したのも、そういう意識があったんですね。
もちろん、「○○なう」的なツイートがダメという
わけじゃなくて、個人的にはあまりそういう使い方は
したくないってこと。コミュニケーションの流れが
カオスに向かうのって、あまり好きじゃないんだよねぇ。
もちろん、定期的にまとめてらっしゃる方もいるけど、
ツイートを重ねるんじゃなくて、カチッとまとめることに
価値を感じているので、それもなんだか
結局は不完全燃焼になりそうで。
じゃぁ、更新情報だけ流すのもなぁ・・・
ということで、活用方法が見えなかったわけです。
■更新情報+αが出てきた
で、どうしたかと言うと、(3)を上手く活用すること。
自分で書いた記事のURLをTwitterに流したり、
あるいは可能であれば、140字以内でコンテンツ化して
Twitterに流すのが(1)だとするならば、
いわゆるこれまで「ネタ記事」と呼んでいた
ネットニュースにコメントを書いたものを
Twitterに流すことで、タイムリーに流せ、
blog記事としてまとめが追いつかず・・てことに
ならずに済むかな、と思ったんですよね。
(3)の2次情報のパスの仕方にコミュニケーションの
要素を入れるってことは、要は気になった記事に
コメントをつけて、見てほしい人に見せるってことで、
結局、位置づけとしては同じなんじゃないの、と。
昨年秋ごろから、ネタ記事ってもう・・
ホント無理って思って。
気になったことは多いんだけど、
なかなか記事にできないもどかしさがあり、
あるときに、これTwitterで流したらいいんじゃないか、
というか、むしろ流すべきではないか?
ということで、まぁ思ってからずいぶん経ったわけですけど、
今月から始まるに至ったわけですよ。
■流通業としてのTwitter、製造業としてのblog
・・・というのは、わたしの場合ですが、
よく聞く「Twitterをやりはじめたら、blogは書かなくなった」
という方は、おそらくblogという場に
コミュニケーションを求めていたのではないかと。
であれば、Twitterに流れてもおかしくないわけですよ。
コミュニケーションが第一なら、140字でも十分・・・
といえるでしょうから。140字という絶対数に意味が
あるかどうかはわかりませんが・・
ともかく、字数に制限を設けることが、
ある程度の塊をもったコンテンツ生成の場としてのblogと
コミュニケーションとしての短いコンテンツ生成の場、
としてのTwitterという役割分担に一役買っている、
というのは、間違いないと思いますね。
それまでのタグ打ち時代と比べ、Webページが簡単につくれる、
という切り口で注目が集まったblogの黎明期では、
コミュニケーションをしたいという人と、
何かを語りたい(=長いコンテンツを生み出したい)という人が
blogという場で混在していて、位置づけが未分化だったのかな、
と振り返るとそんな感覚を持ちます。
そしてさらに、徳力さんが指摘しているような
「○○なう」的な短いコンテンツも含めた
あらゆるコンテンツを自分が関心のある人単位で束ねて、
より手軽に関心の高い情報を得たり、
また、関心があるであろう人に届けられる・・・
これって、ものづくりに喩えるならば、流通業に
相当するような気がしています。
ほしいコンテンツの届け方革命、みたいな感じ。
そして、Twitterという「流通業」によって、
コンテンツ生産の場であるblogが、本来の生産に
特化できるようになるんでしょうね。
■RSSリーダとTwitter
やはり、両者の最大の違いは、
> (3)コンテンツの流し方・受け渡し方に
> コミュニケーションの要素を入れた
という点のありなしってことでしょう。
RSSリーダでも、特定のblogやWebのRSSを登録しておけば、
情報は入ってくるわけですが、そこにはコミュニケーションの
要素が入りえないわけで、情報を得ることができても、
シェアすること、それについてコミュニケーションをすること、
というのは、RSSには欠けているところ。
この点、ソーシャルブックマークってのが以前あったような
気がしますが、情報をタイムリーに得るというところと
得た情報をシェアするという両方の面を持っているのが
Twitterですよね。
ソーシャルブックマークの場合、そのコンテンツは
固定されているわけだけど、Twitterはコンテンツの出元を
シェアしているような感覚ですから。
ただ、Twitter全盛であっても、ネタをTwitterに流すことに
主眼を置くならば、RSSリーダにもまだ一定の役割は
あるという気がしています。
コミュニケーションも含んだ動的な流れのTwitterと
機械的な情報収集ツールとしてのRSS。
でも、一般的にはTwitterのほうが受けるんでしょうね。
・・・うーん、思いもかけずに徳力さんの記事から派生して、
ソーシャルメディアについての考えがちょっと
整理できてスッキリした(笑)
ま、これからもblog主体で、Twitterは更新情報と
気になった記事の転載+ちょいコメ、あとフォローしてる
人への返信という感じで使い分けていきたいと思います。
| 固定リンク
「ウェブログ・ココログ関連」カテゴリの記事
- こんなことになると思うでしょうか?(2020.04.10)
- 丸15年を迎えて考えるポジショニング。(2019.02.01)
- ある時代の終焉。(2018.07.23)
- blog開始14周年 … 『空白』が示すもの(2018.02.01)
- あれから17年、未曾有の危機到来・・・(2017.09.09)
コメント
私がツイッターをやらないのは、確かに「時間がない」というのもあるけれど、私の場合、たった150文字程度では書ききれないってのもあるんですよね。
文字って、意外と読み手に誤解されることが多いと思っているので、なるべくそういうことのないよう説明が長くなったり、書いてるうちに「あれも言いたいこれも言いたい」ってなってきちゃって、気づくとダラーーと長くなっていると(笑)。
あと。
>>コミュニケーションとしては、
>>自分の中でのプライオリティは、正直低いんですよね。
これは私も同感です。
もちろん、読んでくれる不特定多数の誰かを意識して、それなりに常識を持って書いてるつもりだけれど、最終的にはかなり自己満足が中心にあったりします。
残念ながらツイッターは経験がないので、なんとも批評のしようがないけれど、ブログが登場したときは、たかが個人サイトの割にアクセス数の多さと(1日のアクセス数が、ホームページビルダーで作ったサイトの1ヶ月分を凌駕しますからねえ)、コメントのつけやすさに「すげえツールが出たもんだ」と驚いたものだけど、コミュニケーションツールとしては、ツイッターはさらにその上を行くんですねえ。
あと、ツイッターはRTやフォローした相手が分かるから、荒れにくいとも聞いたけど、最近はそうでもないのかな?
投稿: しのぶ | 2011.02.15 21:53
nikko81です。
●しのぶさん
そう、Twitterのツイートをひとつのコンテンツ、
として見なすならば、どうしてもまとまりのない
ツイートの烏合の衆になっちゃって、
そういうカオスには、どうしても耐えられないんです。
けっこう、blog書く際も構成を考えますし、
推敲もしているつもり(誤字脱字は多いですが。爆。)。
なので、取りとめもなく長くなっちゃって、
収拾付かないな、というのが手控えていた理由。
そして、最終的には自己満足。
ライター稼業じゃないんだから、自分の中での
満足感や達成感、カタルシスがまず大事ですね。
# 反応が全くないとそれはそれでさびしいですが・・
blogは、出たときにはホントに「書く」こと、
それだけに集中できるってすごいな、
と思いましたよね。
Twitterは、さらにそれを加速して、
blogのコンテンツとコミュニケーションという
2つあった側面をキレイに役割分担させているのかな、
という気がしてきました。
わたしもまだ2週間ですから、なんとも
言えませんが、荒れにくいんですかねぇ・・・
どうなんでしょ。
投稿: nikko81 | 2011.02.15 23:15
すごい本格的な検証だー。
「ツイッター始めたら、ブログ書かなくなった」は、確かに良く聞くし、
実際にいるんだけど、、、
自分的には、完全に別モノだから、あり得ないなー。
ブログは、ある種、自分の城みたいなものだから、好き勝手にやるけど、
ツイッターは、流れに乗ると、ゆーか、
大縄、みんなちゃんと跳ぼうぜ!みたいな。
発信が主のブログと意見交換と情報収集が主のツイッター。って、感じ。
どちらも自分にとって必要な「ツール」だわ。
ブログにコメント頂戴するのも嬉しいけれど、
ツイッターで、違うネタから
「ブログいつも見てました」って、
話しかけられるのもこれまた嬉しい。
やっぱり、ツイッターは、ブログよりも気軽で便利なコミュニケーションツールなんでしょーね。
投稿: yoshie | 2011.02.18 01:08
nikko81です。
●yoshieさん
> 「ツイッター始めたら、ブログ書かなくなった」は、
> 確かに良く聞くし、
それだけ、書くことそのものよりも
コミュニケーションが本当はしたかったという人が
多かったということなんでしょう。
> ブログは、ある種、自分の城みたいなもの
そう!まさにそう!blogって自分自身の場、
スペースなんですよね。
> ツイッターは、流れに乗ると、ゆーか、
> 大縄、みんなちゃんと跳ぼうぜ!みたいな。
わかりますねー、その表現。
コミュニケーションが複雑に交差して、
早い勢いで流れていって・・・
そのなかで光るものがあればpickupするという感じ。
> ツイッターで、違うネタから
>「ブログいつも見てました」って、
> 話しかけられるのもこれまた嬉しい。
コメントよりか、気軽なんでしょうかね。
まぁ、分からんでもないですが、
わたしはけっこう初めてみるblogでも、
気軽にコメントしちゃいますけどね(笑)
投稿: nikko81 | 2011.02.18 03:40