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醤油の薫る島へ・・・その2。

さて・・・やってきました、ヤマロク醤油さん。
けっこう早めに出たはずなんですが、
着いたのは、もうすでに14時前でした。
思えば、長い道のり・・・

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さっそくご主人の山本康夫さんがいらっしゃり、
醤油蔵をご説明くださいました。

入って圧倒されるのは・・ものすごく歴史を
感じる杉樽と土壁!

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■醤油をつくる主役は、菌たち!

よーく見ると、杉樽の外になにやら
こびりついている・・実はこれが乳酸菌だったり
酵母菌が樽の外にまで棲みついてるんですね・・

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梁や土壁にもぎっしり!
この蔵の中を浮遊している菌もあるそうで、
この中には、醤油を育む菌でいっぱいなんですね。

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大手のようなタンクで造る醤油は、
発酵のために数種類の酵母菌を添加するのですが、
こちらは辺りに漂う菌が100種類以上!

これも蔵によって、200種類に及ぶ蔵もあれば、
50種類くらいの蔵もあり、また乳酸菌が
全くいない蔵もあるんだとか。

そして、その棲みつく菌の種類の違いや
種類の豊富さによって、たとえ全く同じ
原料でつくっても、できる醤油の味わいも
全然違ったものになるんですよ。

醤油は人が造るんじゃない、菌が造るんや。
人は、菌が醤油を造る手助けを
ちょっとするだけなんや!
・・・という先代のことばに凝縮されてますね。

■樽熟成と発酵コントロール

高いところに上がって、醪(もろみ)の様子を
見学させていただきました。
このような杉樽が全部で57本あるそうで、
小豆島で5番目、全国だと12~3番目とか?

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一番右奥が、昨年の25日に仕込んだ新しい醪。
そして、冬から春にかけて辺りを漂う酵母菌や乳酸菌が
醪に住み着き始め、暖かくなると発酵を始め、
熟成をしていきます。

若干、熟成中に出る酸味で辺りには、
醤油らしさに加え、酸っぱい感じの香りも感じられ。

新しい醪の左隣が約1年、その真下が約3年、
一番手前が約2年。醤油もつくりはじめて、
はいはい~ってできるもんじゃぁ、ないんですよね。

醤油の熟成期間の間も、混ぜ方の違いで
できる醤油が違うとか。

基本的に発酵に関わる菌は、好気性なのだけど、
発酵自体は、空気のないところで行われるそうで、
混ぜ方を変えることで、発酵の進み方の
コントロールができるそう。

そのままにしておくと、日当たりのいい場所の樽は
早く発酵し始め、日陰のところは遅く、
2~3週間違うとのこと。こうした違いを混ぜ方で
コントロールするんですねぇ・・・

はじめは、毎日混ぜますが、その発酵の進度に
応じてどう混ぜようか?と思案されるとか。
ものすごい樽に敏感に接することが求められるんです。

■時の流れを受け継ぎ続ける杉樽

見た目にも古そうだな・・・とわかるこの樽ですが、
最も古い樽は、いつから使ってるか分からないほどだとか。

専門家の話では、あと150年~200年は
使われてて、あと100年(孫の代)までは
持つだろう、ということ。

かなりいい木材で樽が造られてる・・ということと、
木材の厚みが太いんですって。

100年くらい前になると、製材機が現れたせいか、
木材の厚みが薄くなるらしく。
それ以前は、木を割って製材されていたために、
かえって厚みが増し、樽材として耐用年数が
高い木材になっていたようです。
うむむ・・・実に興味深いですよねぇ。

■醤油のブレンド

大体2年前後を目安に、絞って醤油にするそうですが、
樽によってクセがあるので、1~3年の醪を
少しずつ搾って、ブレンドしているのだそうです。

で、そのブレンドなんですが・・味見をするのかと思いきや。
何と味見はせずに、ご主人の勘!勘頼み!

やはりこの樽ではこういうものができる・・・
というクセとそれぞれの醪の熟成度合いをを
すべて頭に入れた上で、ブレないようにこうブレンドしよう、
とイメージしながら、ブレンドされるそうです。

ウイスキーも、カスクのクセや特徴を見極めて、
一定の品質に仕上げるのがブレンダーの仕事ですけど、
樽の数が少ないとはいえ、個性の違いを
ひとつにまとめ上げるすごさ・・は
共通するものがあります。

ウイスキーの場合は、個性のいろいろある
カスクモノを楽しむ・・ということもできますが、
基本は脇役の醤油、ブレると料理の味が変わるので、
ブレさせないために、ブレンドするそうですが、
ブレンドって、醤油の世界ではものすごく珍しいとか。

キッコーマンやヤマサなど、大手はどうしてるの?
という疑問が浮かびますが、そゆとこでは、
さまざまな旨味成分の総量を数値化し、
全窒素分として、一定の割合に合わせることで、
調整してるんですね。あ、あと塩分もね。

でも、山本さんがおっしゃるには、
数字は揃っていても、官能検査としては、
旨味や香りは、かなりバラつきがある・・はずと。

なので、こちらでは数字的にはバラつきは
多少あるかも・・ですが、官能検査では
バラつきが少ないようにブレンドされてるんですね。
うーん、これもある種の職人技ですね!

そして、てっきり搾ったあとにブレンドするのか・・
と思いきや、醪を混ぜたあとで合わせて
搾り出すんだそうですね。

搾ったあとでブレンドすると、合わせ易いのですが、
先代の四代目がおっしゃるには、
醤油オリが多く出てしまうのだとか。

醤油オリとは、搾ってすぐの生揚醤油を
火入れする際に出てくる沈殿物。
これも経験がなせる業ですね。

・・・長くなってきたので、
ちょっと切りますね。

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コメント

すごく雰囲気のある場所ですね、なんというかまさに歴史を感じさせてくれると言うか。

> それ以前は、木を割って製材されていたために、
> かえって厚みが増し、樽材として耐用年数が
> 高い木材になっていたようです。

つい先日、少し似たような話をみました。話題になった「はやぶさ」、致命的な故障・不具合が起きたのですが、それを復旧に繋げたのは「まさか使うことはないだろうと、上司に報告されることもなくテストさえされなかったあるモジュール」だったのだそうです。一見ムダに見えるところが思わぬ価値を生み出すってそんな感じなのですかね。

カンナとかで削りさせば薄い樽を作れなかったわけでは無い気もするので、先人はわざとこうして厚い板で樽を作ったのかもしれませんねー

投稿: みや | 2011.01.17 07:06

素晴らしい樽ですね!
お醤油、凄く美味しそうでかつ安心な感じで。今のお醤油を使いきったら早速お取り寄せしたいと思いました。

投稿: kaiko | 2011.01.18 06:01

お茶・ウイスキー・お醤油とNIKKO81さんの記事はひとつひとうに造詣が深いので、ほほぉ~っとなりながら読ませて頂きました。

投稿: とーり | 2011.01.18 20:18

nikko81です。

●みやさん

ものすごく歴史を感じますし、醤油って
やはり日本には欠かせないものなんだな・・と思います。

あ、はやぶさの話、わたしも耳にしました。
何がムダって、あらかじめは分からないものなんでしょうねぇ。

薄い樽材も造れたかもしれませんが、わざわざ
薄くする手間をかける意味もなかったんだと思います。

で、製材機ができてたまたま薄くできた。
でもそれは、あまり樽材としては、
よくなかった・・というような。

●kaikoさん

いいですよ!国産大豆と小麦で、しっかり
こだわって造られてますからね。

こちらもいいですが、職人醤油さんで、
100mlのお醤油をいくつか試されるのもよろしいかと。

●とーりさん

いやいや・・ウイスキーはさすがに
少しは知識がつきましたが、まだまだ好奇心に
引っ張られてるだけですよ^^

とーりさんにとって、「!」になる
記事になっていたら、うれしいです。

投稿: nikko81 | 2011.01.18 22:23

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