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Modern Whisky Life in SAITAMA 2010 後半。

さて、後半は竹鶴政孝のこだわりと信念を語る、
久光哲司・ニッカチーフブレンダーのセミナーです!

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久光哲司氏。

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数々の賞を受賞されて・・と司会の方に
紹介された後、わたしだけの功績じゃないんですよ、
とわざわざおっしゃる久光さん。
律儀でおいでなところは、さすがです。

気温の話に始まって、そろそろ気温が下がりだして、
季節の変わり目で体調を崩さず、
ウイスキーライフを楽しんでください!と、
いきなりシメ?みたいなお話で会場の笑いを
誘ったところで(笑)

●日本にウイスキーづくりをもたらす

Whisky Magazine 2008年版特集のなかで、
「歴史に名を残す人々」に選ばれた竹鶴政孝が
理想としたウイスキーづくりのお話に入っていきます。

その他、歴史に名を残す人々のなかには、
カフェ式連続蒸留機を開発したAeneas Coffey、
ビールだけでなくウイスキーにも造詣の深い
評論家であるMichael Jackson。

政孝がグラスゴー大学のウィリアムズ教授から
進められて愛読したというウイスキーづくりの解説書
”The manufacture of Whisky and Plain Spirit”の
著者であるJoseph A. Nettletonに、
初めてブレンドというを行ったというAndrew Usher。

その早々たる面子の中に、われらが竹鶴政孝が
選ばれているわけです。

竹鶴ノートの話だったりとか、山崎蒸留所建設とか。

山崎蒸留所の建設当時の写真。
裏の竹林が、山崎だ!と思わせられますね。

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これ、ニッカだとたまに話が出て来るんだけど、
サントリーはぜーーーーったいに言わないんだよね。
初代の山崎蒸留所の工場長が竹鶴政孝だって(笑)

あと、初めて聞いた話として・・・
ウイスキーを製造するに当たって政孝が
貢献した知られざる功績に酒税の考え方の見直し、
ということがあるんだそうです。

というのも、ウイスキーなんて初めて
日本で造られたわけで、それに対応した税制など
あるわけがなく、ウイスキーに不利な、
売る前の造った酒に税を課す
造石税(ぞうこくぜい)だったそう。

造ってから、何年何十年と熟成させる
ウイスキーにはまだ売り物にならないのに、
ずっと課税されるわけで・・・

これを英国の酒税法の考え方を粘り強く説明、
蔵出税の考え方を大蔵省に認めさせたとか。

地味に思えるかもしれないけど、
すごい功績ですよね・・・・

●自らの理想に忠実であるために・・北へ

それから、壽屋の退社、と余市という場所への
こだわりだったりとか、石炭直火蒸留や
ポットスチル形状へのこだわり。

1日に使用する石炭は1.5tにも及び、
職人の石炭をくべる作業は1日500~600回にも
及ぶのだそう・・・重労働だぁ。

これだけ重労働だったら、世界にただひとつしか
残らないのも頷けるなぁ。

あと、貯蔵。環境の影響を受けやすく、
逆に言うと自然に調整してくれる、
伝統的なダンネージ式(土間式)。

余市は、2009年だと年平均気温8.1℃。
だけど、今年はやはり暑かったそうですね。
あと、何度か集中豪雨。見学ができる
1号貯蔵庫前の道が冠水したそうです・・・

ここで!ティスティング!
シングルカスク余市1987(樽番号112788)。
あの新樽20年と樽番が近いなっと思ったら♪

やっぱりです、大当たりです。

甘さを纏ったナッツやアーモンド、
あるいはメープルシロップをふんだんに垂らした
トーストのような香ばしさに、
しばし陶酔していきます・・・

しばらくすると、バターのような
若干の塩気をまとった濃厚さだったりとか、
削りたての鉛筆、塩チョコ、シナモン。
変化の幅も一級品。

もう・・ニッカの新樽長期熟成の前には
平伏すしかありません。ノックアウト。

時間が経つとこの季節にふさわしい
金木犀の芳しさも奥に感じられたりもしますね。

味わいもコクが深く、わずかに酸味がある
ビターチョコレートっぽい感覚がしますねぇ・・・

ちなみに、こちらのカスク、
アサヒショップで販売中。750mlで18,900円。
むぅ・・・ほしいけど・・けど・・・

●グレーンへのこだわり

続いては、カフェスチルの導入。
やはり、ウイスキーに飲みやすさを与えるのは、
グレーンウイスキー。グレーンを使いこなさねば、
一人前とはいえない・・・

ニッカは穀物の香味をしっかり含んだ
旧式のカフェ式連続蒸留機を西宮に導入し(1962年)、
後に宮城峡に移設し、いまもニッカのブレンテッドを
支えているんですね。

いまでこそポピュラーですが、このカフェグレーンを
使った最初のウイスキーがあのブラックニッカ。
そのときの広告には・・・

|ニッカがやりとげました!
|世界一流のスコッチ工場が使っている
|カフェ式蒸留機を日本ではじめて導入
|みごとに熟成したカフェ・グレーンを
|原酒にブレンドしました
|うまいニッカが、おどろくほど
|うまくなりました!
|巨大な費用と技術をかけて
|ニッカはスコッチとまったく同じ
|製法を完成しました!

とあります。ものすごくスコッチを意識した
キャッチですが(笑)、まぁそれほど
画期的だったわけですね・・・

●第二のふるさとを求めて

ウイスキーづくりを創業し、モルトだけでなく、
グレーンをも作り出した政孝の次の渇望。
それは、タイプの異なる複数のモルトウイスキーづくり。

更なる日本のウイスキーの品質向上のためには、
異なったタイプのモルトが不可欠なわけです。

力強い余市とは対照的に穏やかでマイルドな
酒質を求め、年平均気温10℃の気候が安定した
栃木以北の本州で、きれいな水と空気のある場所を
求めて、捜し歩きます。

興味深いのが、政孝が日本人の主食である
米を作る水田を潰してまで工場は建てるなと厳命したこと。
これまた律儀な精神が表れてますよね。

そこでたどり着いたのが、山形と宮城の県境、
広瀬川と新川川が合流するところ。

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この地に工場と建てる際にも、水田はおろか、
木を切り倒すのもダメだったそうで、
どうしても切らなくちゃいけない場合には、
稟議書を回さないといけなかったそうです
・・ものすごい徹底してます。

面白いエピソード。ちょうどこの地は、
新川川の傍なのだけど、土地の人がニッカニッカ
(実際は新川)と呼ぶものだから、
当時、政孝の養子の竹鶴威氏(現・ニッカ相談役)は
建設計画がバレてしまったのかと思ったそう(笑)

そして、今ではニッカの名前が番地になり、
ニッカ一番地になってるのは、ニッカファンには
有名な話ですよね。え?有名でしょー(笑)

もう1点、宮城峡が最初の蒸留を終えたときの話。

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なんだか、違うタイプの原酒ができた
喜びと、なにより政孝の人となりを表してますよね。

で、宮城峡はこうして余市とは異なった個性の
原酒を造るべく操業を開始したわけだけど、
ポットスチルの形状や加熱方式だけではなく、
発酵工程の酵母の分けてるんですね。知らなかった。

ここで、宮城峡と相性がいいというシェリー樽の
シングルカスク宮城峡1996(樽番号118917)の
ティスティングなんだけど・・・

あまりに余市が美味かったもので、
たいしたメモがなくってですね・・・申し訳ない(笑)

●ブレンテッドという花束

力強い余市。
華やかな宮城峡。
その下地となるカフェグレーン。

その三者が高いレベルで融合することで、
ブレンテッドが造られるわけですが、
何より感心したのが、その喩え。

サントリーの喩えは、味噌汁に対する
ダシがグレーンだということでしたが、
ニッカは花束に喩えます。

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これまた、はたと膝を打つ美しい喩えですよね、うん。

このような高い融合によって三年連続ISC金賞、
WWAでの受賞など、竹鶴21年が
数々の栄光に輝いてきたわけですよ。

竹鶴政孝が目指した「本物のウイスキーづくり」への執念。
お客さんの求める新たなウイスキーづくりへの挑戦。
これがニッカのDNAなんですね。

竹鶴政孝という伝統。
新たなウイスキーづくりを求める革新性。

・・・ふふ、ニッカがまた好きになる
すばらしいセミナーでした。

すいません、このあとはだぁーっと
流しちゃいますけど・・・

kaoriさんに連れられて、浦和の甘味処・藤屋さんへ。

甘味処なんですが、ここきしめんが頂けるんだとか。
わたしは葛餅セット。

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ダシが関西風の上品な味わいで、
麺以上にダシが好みでした。美味しい。

そのあとは、昨年もお伺いした、
Modern Whisky Lifeの幹事もされている
LINN HOUSEさんへ。

この頃になると、かなり酔いが回って・・・
こちらのMortlach 19yo1杯で・・終了です。

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うー・・・後半といいながら、
けっこう長くなったな。

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