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Modern Malt Whisky Market 2010 セミナー編。

会場に着いて早々に受講したセミナー。

なるべく早めで、頭がシャキッしてる
状態で望むのがいいよね(笑)

今回は・・・そう、サントリーの輿水チーフの
セミナーでございます!

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なかなか興味深いお話を聞かせていただき。

ブレンテッドから始まったサントリーのウイスキー、
その市場の盛り上がりのピークを見せた
1980年代にピュアモルトウイスキー山崎を投入。

その年代にいろいろな製品を矢継ぎ早に
投入するも、今まで生き残ってきたのが「山崎」、
ということなんですね。
後のシングルモルトにつながる芽が
そこにあったわけですよね・・・

そして、日本のウイスキーの特徴は
いろんなバリエーションの原酒をつくりわける
ところにあったりして。

シェリーカスクやパンチョン、
バーボンバレルやミズナラ・・・
昨年から出始めた樽種ごとのシリーズは
かなり要望が多くて製品化したんですってね。

セミナーではなく、後でこそっとお伺いした際には、
あのシリーズは一回ぽっきりじゃなく、
続けてこそ意味がある・・・ともおっしゃっていて、
これは、またミズナラに期待できるかも?
と妄想したりもしてしまいます(笑)

お話は続いて、熟成の神秘に向かいます。
蒸散・樽成分の溶出・水とアルコールの会合、
そして、エステル化・酸化。

蒸散とは、いわゆるAngle's share(天使の分け前)
と呼ばれる熟成中に失われるアルコール分。

やってみなはれ精神に表される好奇心旺盛な
サントリーは、酒飲み天使に一滴も渡さなかったら、
つまり、蒸散を止めちゃったらどうなるのか?
という実験もしたんだそうですね・・

が、もう酒としてバランスが崩れてしまい、
とても使い物にならなかったそうで。
色もよろしくないのだそうですよ。

つぎに、樽財成分の溶出。
アメリカンオーク、スパニッシュオーク、
ジャニーズオーク、それぞれ違ったように
溶け出すわけで、その違いが現れ。

そして、水・アルコールの会合。
意外と忘れそうなところだけど、水とアルコールが
よく混ざり合い、安定した塊となり、
これがまろやかさの元。

蒸散・溶出・会合、いずれも樽の力によるわけで
如何に樽が重要かって話なわけですよ。

じゃぁ、塾生にこだわるなら、樽だってこだわって
自前で樽を作ろうという話。実はサントリー創業の頃の
赤玉ポートワインの頃から樽は修理をおこなっていて
それが礎となって、樽づくりへと。

できた原酒のキャラクターに合わせて、
そして将来どのような方向に仕上げたいか
をイメージしながら、樽を厳選して詰めるんですね。

歴史的にはビールやワインを詰めるために
発明されたものですから、液体が漏れない容器
としての特性に長けていたのがナラの木(オーク)。

導管が液漏れしにくい構造を形成してるんですね。
もちろん、ウイスキーの熟成に必要なタンニンや
ポリフェノールも豊富ってとこも大事。

ちょっとびっくりしたのが、日本の蒸留所でばかり
見ているので知らなかったのだけど、
日本で製樽する場合、蒸気で蒸して木材を曲げやすく
するんですよね。組む際にはもちろんチャーはしない。

だけど、ヨーロッパでは曲げ加工の段階で
チャーをしながら組むらしくって、
これも洋の東西の違いなんだな、と。

あと、漏れないための柾目板(まさめいた)へのこだわり。
中の液体が柾目面に接しないと、液体が漏れるんだよね。
歩留まりが悪い取り方、製材の仕方だけど・・・
虎斑(とらふ)があると、きれいな柾目の証拠になるとか。

さて、ティスティングです。
例の樽種別の山崎シリーズのティスティング。

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やっぱり・・・ミズナラですよね。
個人的にはもちろん白檀や神社仏閣臭・・・もあるのですが、
削りたてのカツオ節とか、出汁に近い感覚も。
旨味・・にも似た感じがするのです。

そして、このミズナラ樽、戦時の樽材調達難のときに
しかたなくつくられ、あまりに香りが「普通じゃない」
ために、しばらくは社内でもネガティブな評価、
だったんだそうですね。

そのためかどうか・・・わからないけど、
やっぱり印がついているのが、ミズナラなんですね!
# ウイスキーねこさんに聞いてたとおりだー。

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エポックメイキングになったのが、
創業90周年記念として発売された響。

ここで、少し使ってもすごく存在感の出る、
ある意味、異端児として真価を発揮して、
ミズナラの再評価につながったのだとか。

ピーテッドな一滴が酒質を大きく変貌させるように
このミズナラも少しでも大きな変化がつく、
隠し味・・・なんですね、本来は。

ミズナラの木って、光を求めてどんどんと
くねくね曲がってしまいがちだそうで、
曲がったものは樽には加工できないんですね。

そして、樽材に加工できるには
直径は70cmは必要とのことで、そんなミズナラの木は
樹齢200年にも及ぶんだそうです。

で、なおかつ漏れやすい・・・扱いづらい樽(笑)
でもミズナラでしか出せない香りや味わいは、
多くの人を魅了してやまないんですよね。

最後に、「水と生きる」サントリーらしい
環境保護の話。

四季の変化がしっかりあること、
これが日本のウイスキーを形づくっているわけで。

台湾やインドでのウイスキー造りにも言及され、
やはり、かなり早い熟成なんですって。
インドにもなると、天使の分け前が
年間12%にも及ぶそうなんです。

温暖化でこうなってしまうと・・・・
今の山崎の味わいも保てないでしょうね。

ということで、水を守るだけではなく、
森を守り、ひいては地球を守り、
ウイスキーがこれからも造れる環境にせねば・・・
これもまた、ウイスキー造りなのかもしれませんね。

【おまけ】

セミナーのあと、前山崎工場長の宮本さんが
おられましたので、お話させていただきました。
# 昨年のブロガーイベント以来ですね。

ちょうど9月に工場長を退任されて、
輿水さんのように、プレゼンされる機会も
増えるのだそうです。

やはり、同じものをつくり続ける難しさと
すばらしさについてお話されていましたが、
ジョニ黒の一貫した品質水準のブレのなさを
特に賞賛されていましたね。

いろんなBarで必ず決まったものを
頂くのだそうで、そこで品質のブレを感じたり
するんだとか・・さすが。

ひとつ決めて、ずっと飲み続けてみるのも
いいですよ、とアドバイスくださいました。

どうしても素人はね・・・え?とかあっ!
という変り種に走っちゃうんですが、
長く愛せる銘柄を持つのもいいんだろうなぁ。

ブロガーイベントのときもそうでしたが、
すごく語りが力強くて、情熱と信念を
お持ちな様子が印象的でした。

ということで、11/28(日)のウイスキーフェスティバル
では、宮本さんがセミナーをされます。

輿水さんの柔らかな語り口、ブレンダーとしてのこだわり
とはまた違った、ものづくりの立場から、
自信にあふれたお話が聴けるんではないかと思います。

グランドプリンスホテル赤坂で。
前売り券買っておかないとね・・・

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コメント

やはり枠=ミズナラですか。 
 枠が無くて樽の上に「和」とかいてあるのは一体・・・??  
 しょうもないコトに関心がいってしまうものですー。

投稿: ウイスキーねこ | 2010.09.26 20:54

nikko81です。

●ウイスキーねこさん

やっぱ、そうみたいですね。
そうするとあの「和」の文字は気になりますよね・・・
輿水さんに、訊くのを忘れてしまいました・・

投稿: nikko81 | 2010.09.28 22:02

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