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秩父蒸留所…その2。

さて、まだまだ製造工程は続きます。

●発酵工程(ファーメンテーション)

先ほどの糖化工程でできた甘い麦汁が、
木でできた5基の発酵槽(ウォッシュバック)に。

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各々、約3,100ℓの容量で1回の糖化工程でできる
約2,000ℓの麦汁があり、ここに10kgのウイスキー酵母を
投入して糖分をアルコールに変える発酵が進みます。

蒸留所ができてまだ新しいので木もまだフレッシュ。
時が経つにつれて、いい感じで古くなってくんだろうな。

P1050909

発酵は4日間、最初の2日は酵母による発酵、
後の2日間は乳酸菌によるなんですって。

一般的に手入れがしやすいということで、
発酵槽はステンレス槽が多いんだけど、
こちらでは乳酸菌が棲みつきやすく、
乳酸菌の活発な温度での保温性がある木製発酵槽。
そういや、白州もそうだったよね。

しかし、秩父はただ木製ってだけじゃなく、
規模が小さいということもあり、熟成にも使う、
ミズナラ材を使っていて、世界で唯一だとか。

で、発酵の様子。20数時間経って、
酵母発酵のピークを過ぎた感じ。ピークの時には
吹き零れんばかりの勢いで、泡切り器で
物理的に泡をつぶさないといけないんだって。

P1050918

このあと入れ替わりで乳酸菌発酵が始まるところ。
気持ち、色もヤクルトっぽい!?

かなり暑くて、汗がだらだらでてくるけど、
冬場とはずいぶん違ってきて、これもまた、
原酒のバラエティの広さにつながるんだろうな。

●蒸留工程(ディスティレーション)

4日間の発酵でできた約7~8%のビール状の
ウォッシュを蒸留釜(ポットスチル)に移して、
いよいよ蒸留工程に向かい・・・あっつぅ!

P1050925

ちょっと岩盤浴かサウナでも入ってる感じです。
大手だとここまで間近にポットスチルを
見ることがないからな・・・ホントに暑い。

手前の窓があるほうが初留釜(ウォッシュスチル)、
奥のほうが再留釜(スピリッツスチル)。

P1050921

スチームを使った間接加熱で6時間かけて蒸留。
初留で7~800ℓ、アルコール度数が
20%程度の蒸留液が抽出されてきます。

再留時は、蒸留の前・中・後をそれぞれ
ヘッド・ハート・テールの3つに分け、
樽熟成と相性のよいハートのみを使用する。

で、そのきりわける方法なのだけど、
一般的に時間やアルコール濃度を
指標にするらしいのですが・・

でも、秩父で最も大切にしてるのが、
人間の感覚・感性。ウイスキーは人間が飲むもの、
だから、五感を駆使して味と香りで見極めるのが
もっとも決め手になる・・というのが信条。

香りを確かめる肥土さん。

P1050927

ポットスチルのそばにティスティンググラスが
置いてあるのなんて、はじめて見たよ。

P1050933

で、われわれもヘッド・ハート・テールの香りを
嗅がせていただく。どれも再留なのでアルコールの強さが
すごいのだけど、特にヘッドの刺激臭は強烈。

1回の再留で220~230ℓのハートが抽出でき、
アルコール度数は約70度。ただ、樽詰めする際には、
63.5度まで度数調整するそう。

蒸留が終わった跡の高温の液体も、次の蒸留の際に
ウォッシュを通して熱するするのに使い
より効率的に、より熱エネルギーを無駄にせず、
蒸留工程を行うそうですよ。

そのあとは、牛の飼料を練るための液体として
これまた活用。どこまで行っても無駄にしません!

ちなみに再留時のヘッドとテールは、
初留が終わったローワインと合わせて蒸留され、
こちらも無駄なく活用されるとのこと。すばらしい!

メンテ時には、きちんと原酒ごとに分けて
保管するんだそうです。

あと・・・蒸留するこのポットスチルですが、
銅以外の材質で造ることは、絶対にありえないそうです。

というのも、銅の熱伝導率の高さ、
加工のしやすさだけではなく、熱せられた際に
銅イオンと蒸留液の不快成分が結合して
取り除く役割もあるんだって。

・・・ということは、身を削りながら
蒸留してるだけで、15~20年ほどでずいぶんと
やせ細って、穴が開くんだそうです。

大きさや形状、ヘッドの向きで原酒の個性が
変わるのはウイスキー好きには常識(笑)ですが、
秩父は個性的な原酒ができるカタチ。

つくってくれたのは、スコットランドの
Foresyths社。職人の手仕事でつくられるんだそうで、
よく目を凝らしてみると、ハンマーで
打ちつけた跡がよくわかります。

P1050929

スチルの仕様を決めて、正式注文から
お届けまで約9ヶ月。原料調達に3ヶ月、
製造に3ヶ月、輸送に3ヶ月という感じだとか。

ちょうど忙しい頃にだったらしく、
なんとか頼み込んで、蒸留所開業に間に合わせて
もらったんですって。

製造棟の最終には瓶詰めライン。
小さな小さな瓶詰めライン。

P1050940

これまた、長くなってしまったので、
もう一回切りますねぇ。
次は蒸留所見学の一番の醍醐味、貯蔵工程。

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コメント

当日お声をかけて頂いたのですが、残念ながら参加できず、日本海溝くらいのディープな悲しみに打ちひしがれておりました。(;_;)
 写真でレポートして頂けると、行ったような気分でちょっとウキウキ(^^)v いいですね!
 蒸留中のニュースピリッツを頂けるのはココだけでしょう! 続編楽しみにしてまーす!

投稿: ウイスキーねこ | 2010.07.20 21:54

nikko81です。

●ウイスキーねこさん

あらら、そうだったのですか。
けっこう詳し目にレポート書いていきますので、
次回も乞うご期待!

確かに蒸留中のニュースピリッツは
ここだけですねー。

余市でも飲ませてくれますが、
さすがにポットスチルの隣ではないですね(笑)

投稿: nikko81 | 2010.07.20 23:57

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