九州城廻~熊本編~
さて、九州レポも半分を過ぎてきました。
2日目の続きは熊本。
今回は、上熊本でJRを下車して市電で熊本城前。
そういや、地下鉄がある福岡は別格として、
鹿児島・熊本・長崎と市電が多く残ってますよね、九州。
もう、熊本城前で降りたら、あたかも地元民かのように
迷わず熊本城へ。もう何度目でしょうね、熊本城。
今回は重い荷物(ウイスキー瓶重い…)を
早く降ろしたかったので、一番近い入り口になる、
櫨方門(はぜかたもん)から入城。
歩いて入城する際、一番近くかつ、
コインロッカーがあるし、頬当御門(ほほあてごもん)の
方より混まないので、オススメです。
2005年に木造復元された飯田丸五階櫓。
何度も見てますが、よくできています。
天守でないのに、三層五階。
こんな大櫓が往時の熊本城にはゴロゴロしていて…
現存するものとしては、天守そばの宇土櫓、
復元されたものとしては、この飯田丸五階櫓、
さらに、西竹の丸五階櫓、数寄屋丸五階櫓、
御裏五階櫓と、5基の五階櫓が幕末まで残っていたんだよね。
熊本市の整備計画には復元リストに入っているので、
ぜひとも今後に期待したいところ。
数奇屋丸付近。
建造物の多さも熊本城の魅力だけど、
石垣の曲線美もまた見ものです。
途中から急に勾配がきつくなり、
最後にはほぼ垂直になっているこれこそ、
「武者返し」といわれる熊本城の石垣。
ちなみにこの「武者返し」、焼酎の名前にもなってんですね。
さて、今回の目的は本丸御殿大広間。
総事業費54億で木造復元。
天守と違って、近くからだと撮りづらいけど。
外観はこんな感じ。
もう、木造かつ当時の工法で可能な限り忠実に再現した
本丸御殿はとても見ごたえがありました。
一口城主として、10,000円を寄付した甲斐があります。
もちろん、すべてが復元できているわけではなく、
一部ではありますが、それでも忠実に復元している点が
すばらしいですよね。
大御台所の太い木の梁が圧巻。
台所ということで吹抜け構造となっており、
囲炉裏も復元されていて、台所の感じがよくわかる。
釘隠しひとつとっても、仕事が細かい。
これは発掘された当時の釘隠し。
これを復元してこんな感じに。
文様の細かさが美しい。ひとつひとつこうなんです。
木組みの模型。木だけですごく頑丈に固定。
復元されていない部分はそのまま。
いずれ復元されるときが来るのかな?
最大の見所、昭君の間。
最も格式の高い部屋であり、一般的には藩主の居間、
客人との対面の場…だけど。
昭君の間とは、中国・前漢時代に匈奴に嫁いだ
中国四大美人の王昭君という女性が
描かれた部屋だからなのだが…
昭君とは、将軍を掛けているとも言われ、
加藤清正は万が一の際、豊臣秀頼を熊本に迎え入れ、
徳川家康と決戦する覚悟であったとも言われている。
そのための部屋が昭君の間すなわち、
清正にとって将軍たるべき秀頼の間というわけだ。
なぜ、藩主の居間として王昭君の故事を
選んだのかは定かではないが、秀頼好みの題材・装飾
ではあるらしいよ。
天井も折上格天井。江戸城本丸御殿のCGでは、
将軍の座所は、二重折上格天井になっていたが。
さすがにそこまですると、意図がバレちゃう?
それでも、極彩色で描かれた草木や、
黒漆と金箔で装飾された美しい天井。
しかし、金箔がまばゆいですな~
どこも大大名の御殿はこうだったんでしょうかね?
やはり、秀頼を意識している熊本が特別?
ちなみに、右端に描かれている女性が王昭君。
で、ここまで書いてこちらのblogで知ったのだが、
はじめは撮影禁止だったそうです。
でも、フラッシュ撮影でなければOKということに!
いやいやありがたいことです。
それにきれいに忠実に撮影しようとすると、
フラッシュなんて使わないほうが、
断然キレイに撮れる訳だし。
さらに昭君の間の杉戸絵。
控えの部屋とかそんなところなんでしょうか?
装飾はないけれど、紫陽花と尾長鳥が
とても美しく描かれています。
引き手も黒漆×金箔の上品かつゴージャスな仕上がり。
小さくて撮影できませんでしたが、
釘隠しにも黒漆が塗られ、すばらしいものでした。
さて、一通り御殿内部をみたら、闇り通路。
熊本城本丸御殿、実は1F部分が石垣に囲まれている。
現在は出入口にはなっていないが、
当時はこれが正式な入り口だったそうだ。
これが入り口。扉の先には…
こんな感じで、石垣に囲まれた通路。
右手奥に階段があり、ここから御殿に入る。
石垣の石と石の間に白漆喰が埋め込まれて、
装飾が施されている。藩主が通る正式な通路なわけで、
石垣にも装飾が施されているとのこと。
白漆喰で装飾された石垣と天守。
最近まで見れなかった画ですよ~
ここで、雨がポツポツ…あらら。
早いところ引き上げましょうか。
一応、天守と宇土櫓も…と思ったけど、
すんげー混んでて、何度も見たでしょということで
今回はPassしました。
天守内部に掲示してある城主一覧に、
自分の名前があるのは確認してきたけどね(爆)
宇土櫓。今回は概観だけ。
天守と違い、起り(むくり)のある破風が特徴。
個人的には天守のきつい反りの破風より、
いいなぁと思ったりしている。
今回売店で、熊本城の古写真集を購入。
皆さん、本丸御殿の復元記念に
カラー写真集を買ってる人が多かったけど…
城好きとしては、西南戦争時に焼失する前の
写真のほうが興味深いのよね。
しかし、写真が豊富なこと。
いろんなアングル、いろんな場所の写真が満載。
またはっきりしている写真も多い。
だからこそ、数々の復元計画があるんでしょうね。
こちらのblogでまだまだこれから復元される
熊本城を日本のサグラダ・ファミリア、と
表現されているが、さもありなんと膝を打つ。
さて、熊本城を出た後、天草方面に出るため、
JR三角線で終着駅まで。
前回、天草に行きそびれたので、今回は確実に。
(当時はちょうど本丸御殿建設中でしたね)
熊本駅ではちょうど、寝台特急はやぶさが東京に向けて、
出発しようというところ。
はやぶさって乗ったことがありませんが、
3月でなくなるんですよね…乗っておこうかなぁ…
すっごい迷い中です。
さて、三角線執着の三角駅。
ここから(でなくても熊本駅からでもいいんだけど)、
天草諸島を目指します。
三角港にほど近く、巻貝のような
三角港フェリーターミナルに「おっ!」
夜になると、明かりが灯りますよ。
この時間になると、すげー土砂降りで大変。
めっちゃ寒なってくるし…
なのに、わざわざ三角駅まで来たのは、
はるかさんから、みすみみかんのうわさを聞きつけたため。
(すいません、記事追い越しちゃいました…)
こちらに問い合わせると、三角のラガールにありますー
とのことだったので、敢えて三角駅に寄りました。
(↑音出ます!注意!)
三角フィッシャーマンズワーフ『ラ・ガール』。
入ってびっくり、しばじゅん「未成年」が
掛かってました!ぐうぜーん。
で、ありました。はるかさんに教えてもらった
「はるかちゃん」(笑)
このはるかってのは、品種の名前で、
特に酸味が少ないため、甘みが感じられるのだそう。
写真は自宅用の大瓶です。
もちろん、このままでも美味しいですが、
折角旅で手に入れたウイスキーがあるってことで、
ウイスキー博多+はるかでつくれる
カクテルにしてみるのもいいかと。
クロンダイク・クーラー(Klondike Cooler)
ウイスキー 45ml、オレンジジュース 20ml
ジンジャーエール 適量、ってのがありました。
なかなか美味いです。カクテルなので、
飲みすぎには細心の注意を…
というわけで、脱線しましたが、閑話休題。
事故か何かで、寒い中バスが遅れて待たされつつも、
いい感じでほろ酔い加減で天草まで到達。
翌日は、天草下島の苓北町、富岡城に向かいます。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 武田氏館西曲輪発掘調査現地見学会 + 桃と桜と信玄公 3/18(2017.06.03)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津⑤ 御薬園・会津武家屋敷 with 絵ろうそく(2017.05.20)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津④ 吹雪の会津若松を彷徨う(2017.05.06)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津③ 鶴ヶ城縄張考察・・・武田と丸馬出を求めて(2017.05.06)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津② 絵ろうそくまつり@鶴ヶ城~(2017.05.06)
コメント
えーっと、やっと追いつきました(笑)。
はるかちゃん、手に入れられたようでよかったです♪
早速ここにたどり着いちゃったとこがさすがですね!
わたしはその場で飲んじゃったけど、カクテルにできるっていうのもいいなぁ。
ところで、わたしもフラッシュ撮影はしないですね。
手ブレ補正なしをいまだに使ってるので、夜はかなり厳しいですけど(^^;;
投稿: はるか | 2008.11.26 22:38
nikko81です。
●はるかさん
はるかちゃん情報、ありがとうございました。
ちょっとこれは!と思ったので、吉田果樹園さんに
ありそうなところを教えてもらいました。
そう、カクテルっての、われながらいいアイデア!
と思って、事前にジンジャーエールを
調達しておいたのですよ^^
フラッシュ撮影、なんか不自然な感じになるので、
あまり使わないですね。
今回は、作品の保護という目的だそうですが。
夜の撮影に、手ブレなしはきついですね…
三脚か固定できる場所必須?
投稿: nikko81 | 2008.11.29 02:25