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2008.07.19

ウイスキーを楽しむ旅、第1日目。

さて、先週のウイスキーをつくりに行った
北海道でのこと、書いていきましょ。

実は、余市蒸留所に行くのは3回目。
過去、札幌を訪れた際には、立ち寄ることが多い。

といっても、いつも真冬の雪が降り積もった頃に
訪れているので、夏の蒸留所というのは初めて。

そもそもは、いつものようにニュースをチェックしてて、
2月頃にイベントを知ったのがきっかけ。

で、どうせならということで、
申し込むだけ申し込んでいて、5月に当選の知らせ

後から聞いたのだが、当選できない人は、
なかなか幸運に恵まれないそうで、
まぁ、運がよかったとしかいいようがない。

前日は、どうしても仕事が離せず、
当日の早朝に羽田に向かい、朝には札幌に到着。

といっても、快速エアポートに乗って、
小樽まで1時間強、そこから普通電車で30分と、
けっこう時間がかかるので、集合時間より前に行って、
と考えると、これでもちょうどいいくらい、
の時間だったりするのだ。

生憎の雨模様だったので、傘を買い、余市へ。
JR余市駅から徒歩3分ほどで、味のある建物が見えてくる。

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到着とともに荷物を預かってもらい、しばらく散策。
といっても、2度も来ているので、いろいろ見ることはせず、
ゆっくりと昼食でも…

ということで、北海道らしくラム肉のしゃぶしゃぶ。

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しかも、しゃぶしゃぶするのが水ではありません!
余市ワインとウイスキー。

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ね、ここならではでしょう?

ワインとウイスキーのいい香りで、
ラム肉のクセが程よく取れ、なかなか美味。

アルコールは揮発しやすいので、食べてる途中で
抜けちゃった感じがしたけどね。

ワインにしても、ウイスキーにしても、
自分でちょびちょび入れられると、もっとよかったかなぁ。

食後はもちろん、試飲会場。
ケータイから更新したように、昼間から水割りでまったり。

といっても、2杯程度でストップ。
これから作業するのに、酔っ払っていてはね(笑)

時間になると、所定の場所に集合。
ニッカ印のヘルメット。

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軽く製造法や歴史などのレクチャ。
このマイウイスキー、かのC.W.ニコル氏が体験し、
バー関係者の体験ツアーのなったのが元なのだとか。

ちょうど今年で10年目、第1回のときの参加者の
ウイスキーが熟成され、贈呈式があったのだそうだ。

10年も経つと、行方不明者も多いみたいで、
贈呈できない人もいるみたい。もったいない。

あと、樽に入れて寝かせるのは、
イングランドに制圧されたスコットランドに、
英政府がウイスキーに重税を課したことに端を発する。

要は、隠しておくためにシェリー酒の樽とかに
入れておいたというわけですな。

それに、創業者竹鶴政孝のスコットランド留学、
妻・リタとの出会い、壽屋(現・サントリー)でのこと、
理想を追求するために余市へ向かい…という、
ニッカウヰスキー創業の話。

何度聞いても、夢をカタチにした竹鶴氏の
話は興味深いものがある。

さて、話はそこそこに体験へ。
ここで作業着に着替えるのだが、
なんと常連で作業着を買ってしまった人も。すごい。。

体験の前に通常見学不可の貴賓室へ。
皇族・要人等をもてなす部屋だという。

一番初めの「キング・オブ・ブレンダーズ」のデザイン。
今とぜんぜん違うな…

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貴賓室というだけあって、立派なインテリア。

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貴賓室からの眺め。よくある余市蒸留所の写真は、
ここから撮られたものが多いのだとか。
確かにいい構図で、写真が撮れるもんね。

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別の角度の写真。なんかホントにどこかヨーロッパの
風景のようにも感じられる。

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さて、いよいよ体験開始。
まずは、乾燥棟。

原料となる麦芽を泥炭(ピート)をくべて、
燻しながら、乾燥させていく。
これにより、独特のピート香がつくわけだ。

普段は釜の前までしか見れないのだが、
今回は体験ということで、奥のほうまで見に入れる。

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これがピート。泥というよりは、
植物が堆積したようなもの。

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乾燥棟の上のほうに上ると、麦芽が山盛り。
本来は、きちんと敷き詰めるのだそうだが、
今回は体験用ということで、真ん中に積んでいるそう。

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階下には、先ほどのピートが燃やされた
炎がかすかに見える。

Nikka012

麦芽が燻されているわけだから、
当然見ている自分も燻されるわけで(笑)
自分で嗅いでみても、かなりスモークされた感じだけど、
入ってない人からは相当においがするらしい。。

続いては、粉砕されたあと糖化槽。
温水を加えて攪拌。酵素の働きで甘い麦汁を取り出す。
ここも、普段見学できない貴重なところ。

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次に甘い麦汁を発酵させる発酵棟へ。
熟成させるまでビールと製造が似ている。
ここで、72時間発酵させる。

一番麦汁とモロミ。味見をさせてもらったが…
まぁ、美味いもんではないな(笑)

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モロミはアルコールにごまかされて飲めなくもないが、
一番麦汁は甘いというかなんというか…
かなり罰ゲームな感じ。

次は、蒸留棟。

ポットスチルという蒸留釜に2度通して、
アルコールを抽出する。

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蒸留するポットスチルの形によって、
風味もかなり変わってくるとのことで、
特に、先の柄のように伸びた部分が上を向いてるか、
下に向いてるかというのも、大切な要素だと。

蒸留する熱源は、石炭。

石炭をつかった石炭直火焚蒸溜は、
創業者・竹鶴政孝がスコットランドで
学んだ伝統的な蒸留法。

温度管理が難しいそうだが、ウイスキーの命である
すばらしい香りをもったウイスキーができる。

実は、本場のスコットランドでも、
この方法は廃れてしまっており、
世界でも、余市蒸留所だけになったしまったとか。

ここで、石炭をシャベルでくべる作業を体験。
こういう燃え盛る炎に石炭を放り込んでいくのだけど。

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案の定、ぼろぼろ~とこぼしてしまい。
ヘタクソな代表例をものの見事に再現してしまい(苦笑)
最近、重いもの持たないからな…筋力の衰えを
めちゃくちゃ感じてしまったぞorz
# ここにもこぼした人はいましたが…

さて、この後は糖化槽に戻って、攪拌した後の
粉砕された麦芽のお掃除。糖化槽の中に入って、
麦芽を落としていきますが…暑い~!

こんな感じに残った麦芽を…

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こうやって、落としていきます。
意外と楽しい(笑)

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さて、肉体労働はここまで。
なんか、体験というより、より深いとこまで見れる
工場見学、という感じだったなぁ。

続いては、フレーバーの異なる原酒5種の
テイスティングとブレンディング。

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しっかりとそれぞれの香りの個性がある。
個人的にはWoody & Vanillicがいい。

樽で熟成する間に気候や樽の置かれた場所、
樽の性質によって、違ったウイスキーができるが、
ウイスキー樽は、中を焦がすことによって、
樽材のオークのリグニンが香味成分のバニリンに変化。

名前からも分かるように、このバニリンが
バニラのような甘い香りの元になるわけ。

バニラの香りもその主成分はバニリンで、
植物のバニラ由来でないにせよ、
バニラの香りをそのものなのだ。

その他、Sherry & Sweetはシェリー酒の香り。
深い甘みのある香り。

Peaty&Saltyは、ピート香の強いタイプ。
すごいのが"Salty"の部分。
言われると、かすかに潮の香りを感じるのだ。

日本で海に近い蒸留所は、余市だけ。
Japanese Whiskeyでこれが作れるのは、
余市だけだろう。

…閑話休題。

それぞれの香りを後、その他、5種の原酒を
自分オリジナルにブレンディング。

といっても、プロのブレンダーでさえ、
午前15分、午後15分しかできないのに、
すぶの素人が30分もやってると、
鼻が馬鹿になって、なにがなんだか…という感じ。

工場の方もおっしゃっていたが、
ホント、ここでしかできない贅沢な酒遊び。

しかし、プロのブレンダーは何百もあるテイストから
頭の中で組み合わせを考え、
実際にブレンドするのは、ほんのわずか。

さらに香りを確かめるのは、その中のさらにわずか、
味を確認するのはわずか数種のみ、
ということで、香りが全部記憶できてないと、
できない仕事だよな…とそのすごさに驚嘆。

それに、カレーとか餃子とか、仕事にあるときは、
口にできないそうです。
デリケートな仕事ですものね。

この日は、ここでおしまい。
この後は夕食。これが実に絶品。

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写真は、余市産真いか入り真砂子和えに、
お造りは、スズキ、本マグロ中トロ、ボタンエビ。
焼き物は、北海道産生ラム陶板焼き。

さらに、余市産カレイのから揚げ。

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冷やしととろ汁。

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もちろん、ウイスキーも出てきます。
写真は、SingleCaskの1989年モノ。美味かった。

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だけど、竹鶴翁は食事の際にウイスキーを嗜むのは、
是としなかったらしく、サントリーが広めた、
食事にあうウイスキーという考え方は、
あまり、気に食わなかったそうだ。

圧巻なのは、イクラご飯。
ご飯とイクラが別々に出てきて、なんとイクラかけ放題。
かけ放題ですよ、かけ放題。前代未聞(笑)

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イクラが山盛り、かけ放題~♪
かけ放題、ヨロレイヒ~♪
(ヨーデル食べ放題の替え歌でどうぞ。笑。)

デザートは、余市産さくらんぼに夕張メロン。
余市ってば、実はフルーツ王国。

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体験に来られた方は、ウイスキーが好きな人はもちろん、
日本酒を醸造されてる方や、バーテンダーの方などいろいろ。
面白いのが、立川を含め、東京多摩地区の人が多かったよ(笑)

あと、実は、この体験2日間で23,000円なんですけどね。

翌日に自分たちで詰めることになるウイスキーを
10年後に1本もらえる(8,000円相当)に加え、
ホテル代込み、1日目夕食と2日目昼食つきで、
このお値段ですよ。安すぎます。

実際、ホテル代と食事代くらいでほとんど、
参加費用は飛んじゃってるらしく、
われわれのニッカの口コミ効果を頂いて、
やっと元が取れる、とのこと。
# だから、こうしてblogで宣伝中~♪

夕食後、外に出ると空がきれい。
北海道なのに、日が長いですねぇ。

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竹鶴政孝と妻リタの家などを見学しながら、
工場を後にし、ホテルへ。
明日もけっこう早いので、即就寝。

翌日は、樽作りや樽詰め、樽ころがし、っと
タルタル体験。

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コメント

しゃぶしゃぶいいですねー。
私のランチ、試飲ウィスキーのみでした。
初めて行ったので、いろいろ見学してるうちに集合時間になってしまったのです。

また機会があれば、しゃぶしゃぶランチかな。
駅前の海鮮丼もおいしいらしいけど両方は無理だから、あと2回は行かなきゃ。

でも、その前に宮城峡と駒ヶ根と御殿場と、国内蒸留所のコンプリもしたいしな。

ウイスキー好きじゃなくても行きたくなっちゃう魅力的なプランですネ!
って、怠け者の私にヘルメットを被っての肉体労働ができるかどうか、、、(笑)
余市蒸留所、ホント!ヨーロッパに迷いこんだかのような趣のある所!!
雨にぬれて余計に風情が増してる?

体験コーナーはまるでプロジェクトXのよう(笑)
香水もそうですがブレンダーさんって大変な才能ですよね!?

nikko81です。

●まぐぽさん

しゃぶしゃぶですが、ウイスキー&ワインで
しゃぶしゃぶするとはいいアイデア。

ラム肉のクセがまったく取れていました。
ただ、揮発しやすいんで、のんびり食べてると、
風味がなくなっちゃうかもしれませんね。

|でも、その前に宮城峡と駒ヶ根と御殿場

何かに付けて、よく出かけるので、
しばらくすると、わたしも行っているかもしれません。

御殿場とか近くてよさそうですね~
わたしにとっては、白州も近くていいところ。

●あやのすけさん

そう、普段ウイスキーを飲まない人も、
参加されていたんですよね。

肉体労働、といってもヘルメットに
安全靴とか大げさ!?というくらいなので、
そんなに心配は要らないと思います。

蒸留所はホント、絵になる風景。
本場スコットランドもこうなんでしょうかね?

ブレンダーは特殊な職業。
ほかに入浴剤の調合師なども香りのスペシャリスト。

才能がないとなれそうにないですね…

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