さて、行ってきたのは熱海。
しかし、温泉目的ではなく、城。
熱海に城ってあったっけ?
…そう思ったアナタは正しい。
熱海に城が築かれた歴史はなく、
完全に観光目的に作られた城、
それが熱海城なのである。
そのくせに、「築城には最適の地」とか
北条氏も水軍の根拠地として築城を希望しながら、
果たしえなかったとか、眉唾物の紹介をしている
ところが怪しさをかもし出している。
しかも、同時期に「復興・再建」された城として、
小田原城、名古屋城、大坂城の名を挙げているが…
一緒にするなって!熱海城は復興でも再建でもないだろ!
観光用でーす、といっておけばいいのだけれど。
さて、その城は海岸べりに出ると
遠目に見えてくる。

意外に遠いのかと思ったら、そうでもない。
いや徒歩40分、十分遠いか(笑)
途中、怪しい感じのトンネルを抜け。

怪しいとか書いてしまったが、
明治43年に作られた建造物。
むしろ、熱海城なんぞの方がぜんぜん、
後に建てられたわけで。
熱海城は文化財でもなんでもないが、
こちらは文化庁が認める有形文化財だ。

さて、山を登っていくと、見えてきた。
意外とマトモ。あちゃ、逆光だ。

ただ、眼前には武田菱と真田六文銭の旗。
あのー、武田信玄も真田幸村も関係ありませんから!

駐車場の入り口が若干、大手門風にしてあるような
気もしないでもないのだが、
通り過ぎたところで出迎えたのが!

アヤシイ!!
これをアヤシイと言わずして、
何をかアヤシイと言わざる哉!
思わず、漢文口調になってしまったが。
熱海城の怪しさの一片を形作るものだろう。
さらに奥へ進むと…
何かを取り囲むように、兵士の像が並んでいる…
ここは始皇帝の兵馬俑でも置いているのでしょうか?

これ、夕暮れとかコワくて近づけないよ…
真ん中の人とか、スーパーサイヤ人ぽいし…

ただ、このアヤシイ兵士像のある辺りで
ちょうどキレイな天守閣を撮影できた。

石垣(と言っても明らかに現代的な)を
登ったところには、大黒様。

城という純日本的なところに来ているはずで
大黒様は何も違和感ないはずなのだが、
これまでのインドだったり、中国だったり、
というのを見せられると、大黒様までおかしく見えてくる。
さらに、何だろう…これは。
このときは閉まっていたが、
手裏剣や弓矢で投げられるのだろうか?

さて、いよいよ入場。900円。高い!
ちょっとひどくない?
まず1Fの武家文化資料館。
特に貴重な甲冑というわけでもなく、
どうして熱海の地に、甲冑?
その後は、6Fの展望ルーム。
熱海一の眺望ポイントということで、
一番のウリなんだろうけど、
わたしはこっちのほうに目がいきました。
護美箱。美しきを護る(ための)箱。
…うまいこというやん。

あと、5F名画への誘い、4F世界遺産パネル展。
うー、統一性がないんだけど…
ただ、3Fの日本城郭資料館。
繰り替えずようだが、なんで熱海に城?
ということを横においておけば、
それなりによく城を解説している。
マッチ棒で作った城郭模型もいいが、
尼崎市出身の荻原一清氏による
日本名城画集成の展示が目を引く。
現存十二天守だけではなく、
古写真を元に明治期に破却されて、
再建されていない天守の画もある。
たとえば、尼崎城(兵庫県尼崎市)、
米子城(鳥取県米子市)、萩城(山口県萩市)。
特に、萩城がスマートなカタチをしていて、
個人的に好感触。

また現存する城でも、当時の屋敷等も
含めた鳥瞰図もあって興味深い。
さらに先では、天守模型群。
●江戸城天守閣
まずは江戸城天守。黒板ベースなので、
2代目の寛永期に建造されたものか。
形状は、どことなく名古屋城や徳川大坂城に似ている。


やはり、天守閣は黒に限るなぁ。
こんな天守閣が再建されるんならば、
ぜひ間近で見てみたいものだ。
●淀城天守閣
豊臣秀吉のものとは違って、
江戸期のものだが、天守閣はあった。
今、現地では天守閣の再建計画があるようだが、
その参考にもなるのだろうか?

●安土城天守閣
これって…これって…
どうしてこんなにカラフルなんだろう?

信長=突拍子もないことをする、
と決め付けてませんか(笑)
さて、城郭資料館で時間をとられたので、
足早に熱海城を後にする。
ちなみに地下1Fには…

何でヨーロッパなの、という意味でも
その雰囲気ってどうなの、という意味でも…ギャーッ!
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