甲府へ墓参り。
で、日曜。
甲府へ墓参りに行きました。
え?甲府に親戚いるの?
…いません。
じゃぁ、誰の?
ってな話になると思いますが、
「墓参り」というのは、
ちょっと客引き用のタイトルでして(やーねぇ)、
武田信玄の史跡を回ってきたのです。
日本の歴史上で、とても親近感が沸くというか
こういう上司の下で働きたいなぁ、
と思うのが武田信玄。
甲斐の人々に気を配る民政家として、
常勝騎馬軍団を率いる武田軍総帥として、
それだけではなく、部下との厚い信頼関係で
結ばれた強固な組織力を構成できた、
人間的な魅力。そこが、武田信玄のよさ。
そうは言っても、戦国の人間。
現代的感覚で言えば、残忍に思えることも
あるわけだけど、そこは時代背景が違うから、
割り引いて考えなくちゃいけないけど。
人は城、人は石垣、人は濠、
なんていう言葉があるが、
これは、チーム信玄の人間の結束力が
いかに強いか、ということだ。
しかし、天下を取った信長・秀吉と同じく
彼もまた、後継者を育成できず、
人間関係の強固さで支えていた、
武田軍団があっという間に瓦解したのは、
皮肉なことで。
ということで、2年ほど前を最後に、
最近行ってなかったので、
改めて、甲府に行ってみました。
史跡を回ると、信玄墓所が2箇所あるので、
墓参りには違いないんだけど。
●甲府市・武田神社
信玄の本拠地、躑躅が崎(つつじがさき)館跡に
大正時代に創建された神社。
これは、当時の石垣なんだろうか??
奥に進むと、灯篭も武田マーク。
お手水場も武田マーク。さすが。
お参りしたあとは、水琴窟と宝物殿。
・水琴窟
江戸の文化文政期にできたという水琴窟。
現代も癒しのひとつとして、知られている。
・宝物殿(撮禁)
なにやら、以前とは展示物が変わってました。
国宝楯無鎧(たてなしのよろい)や、
諏訪法性の兜のレプリカがあったり。
諏訪法性の兜は有名ですな。
普通武田信玄、といってイメージする、
白い毛が付いてアタマの上に
鬼瓦みたいなのがいる兜です。
あと、風林火山旗。教科書で見るものとは
ちょっと字体が違って、草書風。
●甲府市・信玄墓所(岩窪町)
ここは、信玄が荼毘に付された場所。
家臣の土屋昌次の館があったところだという。
戦国武将らしく墓所は質素。
ま、派手な墓所を建てているのは、
東照宮の徳川家康とあとは、伊達政宗くらいか。
観光地ではないので、来る人もなく
ひっそりとたたずんでいる。
●甲府市・武田通り
甲府駅北口から武田神社までの
まっすぐ伸びる道を武田通り、という。
道のあちらこちらには、
ひし形の武田マークが目に付くし、
お店にも~武田店というのがある。
それは、地名としても「武田」があるからで、
武田1丁目とか2丁目という地名がある。
何から何まで武田、だ。
●甲府駅前・おまけ
甲州名物といえば、桔梗信玄餅もあるけど、
昼飯に…ということになれば、
出てくるのは「ほうとう」。
甲州版きしめんみたいなものだ。
だけど、かぼちゃなど野菜を入れ、
ぐつぐつと煮物的な仕上げ。
ただ、夏にそれはちょっと…
という人のために「おざら」という
ざるうどん版もあって、それを食す。
うまいけど、やっぱり寒いときに
かぼちゃの入った本家ほうとうがいいかな。
で、食べて駅前に戻ってみると、
信玄像の前になにやら人だかり。
どうやら、森前総理の演説が始まるらしい。
演説の様子。
森前総理の演説を、信玄が神妙な顔で
聞いてるっぽく見えるのが、可笑しい。
わかりにくいけど、右手の選挙カーの上で
手を上げてるのが、森前総理。
左側の銅像が、武田信玄。
ちょっと、信玄さんご機嫌ナナメっぽいですが。
気のせい?森さんの演説はお気に召さなかったのか。。。
●塩山市・菅田天神社
場所を移して、山梨県塩山市。
合併が決まっているらしく、
塩山市・勝沼町・大和村が合併し、
甲州市となるそうだ。
甲府市に甲州市。
ややこしい。
国宝楯無鎧があると聞き、
来たのだけれど、蔵に入って見れなかった。
ちなみに、楯無鎧とは、
楯がいらないほど、
強力な鎧ということらしい。
日本最古の日の丸(日章旗)とともに、
珍重された武田家の家宝であり、
戦に臨むときは、
「御旗楯無も御照覧あれ」
と掛け声をかけ、出陣したそうだ。
●塩山市・恵林寺
さて、最後は恵林寺。
信玄墓所のもうひとつの場所。
山門にその言葉が書かれている
心頭滅却すれば、火もまた涼し。
ということば。
今じゃ、暑いと思うから暑いんで、
涼しいと思えば涼しいんだ、
という妙なたしなめに使われたりするが、
本当は、織田軍に恵林寺が焼き討ちされたときに
快川国師が言った言葉。
そう、火事の中でのことばなんだ。
今じゃ、信じられないね。
恵林寺内を拝観し、お参り。
拝観受付の前に、こんな遺訓が。
戦いというものは、五分の勝利が一番よく、
七分の勝利は中、十分の勝利が下という考え方。
五分の勝ちなら今後のための研鑽を生むが、
七分なら怠りの気持ち、十分なら驕りの気持ちを
生んでしまい、次の敗戦につながる、
ということ。
口で言うのは簡単なんだけど、
なかなか意識できないんだよねぇ、こういうこと。
大成功をしたときこそ、
冷静になって勝因を分析する。
そういや、阪神の監督をしていたころの
星野さんもそんなことを言ってたっけ。
あともうひとつ、武田花菱のかわら。
歴史にifは禁物だけど、
もし天下を統べる地位に、信玄が上ったなら、
こんな紋の瓦の城郭建築をもっと
見ることができた…のかな。なーんて。
で、墓所がこちら。
恵林寺からは、徒歩で塩山駅まで。
日ごろの運動不足を解消。
とまぁ、こんな日曜で。
あーっと、先週の土日のネタ書いてない。。。
« GDP2005、行ってきましたよ。 | トップページ | 忘れないうちに。裏磐梯五色沼。 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 武田氏館西曲輪発掘調査現地見学会 + 桃と桜と信玄公 3/18(2017.06.03)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津⑤ 御薬園・会津武家屋敷 with 絵ろうそく(2017.05.20)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津④ 吹雪の会津若松を彷徨う(2017.05.06)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津③ 鶴ヶ城縄張考察・・・武田と丸馬出を求めて(2017.05.06)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津② 絵ろうそくまつり@鶴ヶ城~(2017.05.06)
こんばんは。
いい音ですね、一日ぼーっとしながら
近くでずっと聞いていたいような音です。
UPありがとうございました。
投稿: てぃー | 2005.08.29 02:01
nikko81です。
忙しくてコメントつけるのも
ままなりません。
水琴窟、昔から好きなんですよね。
家で手軽に聴けたらいいのになぁ、
なんて思います。
投稿: nikko81 | 2005.08.31 01:47