阿蘇から熊本へ
さて、二日目。
高森の宿を出て、昨日のタクシーのオッチャンに
教えてもらった、「湧水公園」に行ってみる。
ここは、はじめから公園として
整備する予定のものではなかった。
宮崎・高千穂へ抜ける鉄道を通すために、
トンネルを掘っていたところ、
大量の湧水で噴出し、あたりの井戸水が
カラッカラになる事件が起こった。
その量、36t/分。
そんなわけで、トンネル工事が困難になり、
中断した工事現場を湧水公園として整備したものだ。
中へ入ると、あたりの熱気は嘘のように消えうせ、
ひんやりとした空気に肌寒く感じる。
ちょうど、去年の夏に行った山口・秋芳洞のような涼しさだ。
秋芳洞は真夏に行ったので、
ちょうどよいくらいだったが、
今は暑いとは言っても
まだまだ、夏本番ではない。
中は、電球で派手に飾られているが、
特になんてことはない。
オッチャンは、どうしてここへ行くように
薦めてたんだろう…
と思いながら、一番奥まで進むと、
「ウォーターパール」というものが出てきた。
なにやら、特殊なストロボ光を当てた
不思議な噴水らしいのだが…
…!!!
水が逆流してる!!
いや、でも近づいて触ってみると、
確実に上から下へと水が流れている。
しかし、どう見ても水の珠が下から上へと、
ちょうど糸で引っ張られているように、
上がっている。
どうやら、これが「不思議」な正体だった。
動画に収めてあるので、
ブロードバンドの方はぜひ観て頂きたい。
# 12/19追記 ディスク容量が厳しくなってきたので、
# 一時的にアップロードを中断します。
# 2005/3/4 ココログの容量がアップしたので
# 再びアップします!
# Quicktimeが必要です。
# 容量は約2MBです。
ね、すごいでしょ。
しばらくみても、ぜんぜん飽きない。
とはいえ、そうしているわけにも行かないので、
「湧水館」という湧水トンネルの資料館に
ちょっと寄った後、高森町の温泉
「月廻り温泉館」へ。
簡単に「へ。」と書いたが、けっこう距離がある。
普通はこういうところへは、
車で来るんだろうなぁ。
間違っても、歩き通しのチカラ技で
無理やり行ってしまうなんてのは、
普通じゃないのは、承知の上。
ただ、歩くといっても距離にして、6~7kmなので、
時間的に問題がなければ、特に苦もなく歩ける距離だ。
ゆっくりと1時間程度かけて、歩いて向う。
都会に籠っていると、土のにおいや草木のにおいを
感じることなく、過ごしてしまうことが多いが、
こうして緑に囲まれた空間を歩いていると、
いろいろ気づくことが多い。
気づくことといっても、自然のことばかりではなく、
周りの景色のふとしたところにも、
いろいろ気にする余裕がある。
まず一つ目がコレ。
地元の醤油の醸造元だ。
あたりに、刺身のときに使う「溜まり醤油」のような
濃い醤油の香りが漂う。
阿蘇周辺は、水がよいようだが、
醤油も水のよいところで作るものなのだろうか。
そういや地酒の醸造元もあったな。
二つ目がコレ。
民家の屋根にシャチホコがあるのだ。
写真に収められなかったが、
名古屋人もビックリの「金色に輝くシャチホコ」を
掲げている家もあるほど。
これはどうしたことなのか。
九州の地方の民家では当たり前なのかなぁ。
シャチホコがない民家のほうが
少なかったような気がする。
なんてなことに気をとられながら、
とぼとぼ歩いていると、
ちょうど1時間で、「月廻り温泉館」に。
ここはなんといっても、
阿蘇の五岳を眺めながらの露天風呂。
打たせ湯もあるので、肩こりにもよさそう。
ここに来るまでに汗で
びっしょりになっていたが、
温泉に入って、着替えてさっぱり。
さっぱりな間に、さっさと高森の駅に戻る。
湧水公園に行ったあとに、
すぐ高森を後にしてもよかったのだが、
高森~立野間は「トロッコ列車」が
土日に運行しており、
ゆっくり景色を眺めながら、
熊本方面に戻ることができる。
駅に戻ると、ちょうどトロッコ列車のきっぷを
発売するところで、即買い。
早めに買っておいてよかった。
後から後から人が来て、座席がなくなってしまって、
座れない人もいた。
トロッコが動くまでかなりの時間があり、
時間を潰すのに苦労したが、
こんな感じのトロッコが動いてしまえば、
そんなことはどこへやら。
涼しげな風を感じながら、
思わず眠ってしまいそうな、
心地よい列車の時間になった。
車掌さんが、移り行く景色を解説してくれ、
関心を持つことには事欠かない。
ボケーッとしているのに「忙しかった」ために、
写真はあまり撮っていないが、
阿蘇の五岳を一望し、
いわゆる釈迦が寝ている姿に見える、
「阿蘇の涅槃像」もはっきりと見えた。
さらに世界最大級のカルデラ式の
火山である阿蘇山には、外輪山が見え、
左手に外輪山、右手に阿蘇本山ということで、
迫力のある景色を楽しめる。
ちょっと進んで、「阿蘇白川」の駅に。
実は、正式名称を
「南阿蘇水の生まれる里白川高原」駅。長すぎる…
とはいえ、60t/分の豊富な水量と
日本名水百選にも選ばれる水質。
これを目当てに、来る人も多いらしい。
あー、ボーっとしてたから、
これくらいしか覚えてないや。
この後は、電車を乗り継ぎ、熊本駅へ。
さらに市電を乗り継ぎ、熊本城を訪れる。
相変わらず、城郭建築には惹かれるものがある。
まずは加藤クン、もとい加藤清正公にごあいさつ。
熊本城築城者にして、それまで「隈本」
であった地名を「熊本」に変えたヒト。
歴史上では、賤ヶ岳の戦いの七本槍の一人として有名だ。
烏帽子チックな兜が個性的ぃ。
さて、城内へ入っていくと、天守閣を見るよりもまず、
城内の入り組んだ構造と石垣の多さに驚く。
実際、この石垣の上には櫓(=城内の拠点)
が載っていたわけであり、江戸開府後の1607年に
築城された割には、政庁としてよりも軍事基地としての
城郭の性格がかなり強い。
実際、1877(明治10)年の西南戦争で
薩摩軍の猛攻にも落城せず、
美しさだけの城でないことは、歴史が証明している。
さらに、「武者返し」と呼ばれる
特徴的な石垣の反りもすばらしい。
建造物に近いところでは、ほぼ垂直になっており、
崩れにくさと登りにくさを兼ね備えた石垣だ。
これだけでもすばらしいが、天守閣もなかなか。
シンプルながらも、黒系の締まった印象だ。
日本三大名城のひとつに数えられるだけはある。
ちなみに後の二城は、「姫路城」「松本城」である。
# この熊本城登城ですべて制覇。
ただ、城内はいたって普通の展示。
特に興味があった、というと
先ほどの清正がかぶっていた
烏帽子兜のホンモノがあったというくらいか。
何度も何度も写真を撮りながら、熊本城を後にする。
後は帰るだけだが、ラーメンが有名なので、
どっかしらで食べて帰りたい。
桂花ラーメンは東京にもあるから却下。
こういうときはモバイルPCの出番。
熊本駅から近いところに、よさげなラーメン専門店を発見。
早速、熊本駅に戻り、くだんの店を探す。
それがここ、黒亭。
あまりクセがなく素直においしいと思った。
並ぶことはないが、店の中は席がいつも埋まっていて、
あとからあとからお客さんが来るのは、
けっこう有名なところなのかも。
まぁ、ラーメンの評価は、
普段あまり食べない人間なので、
あまり信用しないように…
でも、Web上をパパッと見た限り、
悪い評価はないと見受けられるが…
これで、今回の熊本上陸作戦は終了。
熊本空港から羽田に戻る。
ただ、どうしてなんだろう、
どこから戻ってきても、
羽田に着くと、ため息が出る。
こう…現実に引き戻されるっていうか(笑)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 武田氏館西曲輪発掘調査現地見学会 + 桃と桜と信玄公 3/18(2017.06.03)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津⑤ 御薬園・会津武家屋敷 with 絵ろうそく(2017.05.20)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津④ 吹雪の会津若松を彷徨う(2017.05.06)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津③ 鶴ヶ城縄張考察・・・武田と丸馬出を求めて(2017.05.06)
- 2017年・・・・もまた濃すぎて ~ 2/10-12 会津② 絵ろうそくまつり@鶴ヶ城~(2017.05.06)
nikko81さんこんばんわ。
日本三大名城制覇おめでとうございます。
私は姫路城をまだ参っておりません。
今回は南阿蘇中心を回っておいでだったのですね。
事前に阿蘇行きがわかっていたら合流できたので残念です(^^;
阿蘇の涅槃像は大観峰からの眺めが良いので今度は熊本からレンタカーを借りて熊本市内→清正街道(ミルクロード)→大観峰→やまなみハイウェイ→湯布院なんていうプランも良いかもしれませんね。
※個人的には湯布院は泊まらずに泊まるのなら湯布院の近くの湯之平か天ケ瀬がひなびた温泉宿っぽくてオススメです。
投稿: 初瀬野@情報酒場店主 | 2004.05.24 20:46
こんばんは。nikko81です。
わたしも姫路城は、ずいぶん前に行きましたから
もう一度行ってもいいかな、と思います。
阿蘇行きは、なんでも前日の夜に決めましたからねぇ…
わたしにもっと計画性があれば…
悔やまれるところです、
計画性がなくてスミマセン。
投稿: nikko81 | 2004.05.28 01:51
私も一昨年いきましたよ〜湧水トンネル。
阿蘇と高千穂の間で暮らす友だちが、
「ここで水が湧いたからって鉄道計画を全部やめることないじゃんね」とつぶやいていたのを思い出します^^;
ウオーターパールのMovieがっ
すごい!よく撮れましたね〜。
これほんと、不思議ですよね。
水滴が上に行ったり、下に行ったり、停まったり。
仕組みがわかっていても、見ほれてしまいます。
阿蘇は白川水源郷なんかもの〜んびりしていて好きでした。
ホント、いろんなところに行っておられますね〜。( ゜∀゜)
投稿: micio | 2005.03.04 11:02
nikko81です。
阿蘇はなかなかよいところでした。
また今年も、5月にどこか行こうと
企んでおります(笑)
投稿: nikko81 | 2005.03.06 02:04
こんちぃ~!
過去記事に、トラバなりぃ~!(^^ゞ
あの石垣は、綺麗でしたねぇ~。
そんなに城をみているわけではないですけど、綺麗と思ったのは、初めてかもっ。
なんか、三大名城ですけど、松本城でなく、名古屋城だと言う説もあるみたいですよ。
投稿: Suggy | 2005.04.01 14:39
nikko81です。
名古屋城ですか。
確かに名城に入れてもいいかもしれません。
でも、金鯱だけが目立っちゃうような
気もしますけどね。
ちなみに名古屋城を略すと
「名城」になりますね(笑)
今、出張で仙台にいます。
明日、政宗の築城した青葉城を見てきます。
投稿: nikko81 | 2005.04.02 22:33
トラバありがとうございます!
湧水公園、行かれたんですね!
あのウォーターパール、思わず声を上げちゃいました(笑)。
そして熊本城。もう何年も前に訪れたんですが、
今回も行きたかったなぁ。雨降りで断念しました。
熊本ラーメンも食べたかったんですが、別のものを食べてきました。
そんなのも、追々書いて行きたいと思ってます。
投稿: はるか | 2006.04.18 23:41
nikko81です。
●はるかさん
ウォーターパール、すごいですねー。
あれはぜひみるべきですね、うん。
熊本城、わたしは全部の復元計画が
完了するまで登城は控えておきます(笑)
投稿: nikko81 | 2006.04.18 23:58